モエシャンドン

君に幸あれよのモエシャンドンのレビュー・感想・評価

君に幸あれよ(2022年製作の映画)
3.8
まず78分と言う抜群に観やすい時間設定が良い。作品も優しさとエネルギーに溢れていた。債権回収屋さんの話で、キャラクターのやることなすこと全部治安が悪い。でも作品を覆う空気は優しい。セリフのひとつひとつはドライなものが多いけど、行動や仕草ではお互いを大切に守りながら生きていることが伝わる、不器用で温かい映画だった。人を大切にすることがこの作品のテーマだと思った。
主人公のシンジは、あれは実際にいたら女子が沼る系のキャラクターだった。
いわゆる面倒見のいいヤンキー(もはやチンピラだが)と気立てのいい彼女と、愛すべき後輩という、少年漫画のひとつの理想系のような形でキャラクターが描かれているので、この脚本家さん、たぶんお若い方じゃないだろうかと邪推してしまった。そう言う意味では、ある意味で綺麗な青さが煌めく映画でもあると思う。とても良い。