みりお

あいつをよろしくのみりおのレビュー・感想・評価

あいつをよろしく(年製作の映画)
4.0
TAMA NEW WAVE一般審査員として鑑賞🌟
立薗 駿監督が、東京藝術大学大学院映像研究科を修了するにあたって制作された作品。

妹から母を奪った負い目を背負う兄。
母の死の責任という十字架を兄に背負わせた妹。
あの日からお互いに支え合っているようで、実はお互いの存在が足枷となり、心から笑い合うことを忘れてしまった兄妹の時間が、あることをきっかけに動き出す構図はとてもわかりやすい。
ただその描写は新鮮で、足枷となりつつも、どこかお互いの存在に依存していた2人が、よくあるドラマのように激しく気持ちをぶつけ合うシーンはない。
ただ静かに、互いの恋人に相手を託すという美しい描写で物語は進んでいく。

全く飽きさせない展開と、ジャケット画像にも入れられている水に反射した世界然り、本当に美しい作品でした✨
大好きな雰囲気だなぁ〜


【ストーリー】

久納小春は転職活動中である。
小春には幼少期に事故で亡くした母に代わり、小春の世話まで担ってきた兄・太知がいる。
そんな太知がある日、家族の前から姿を消した。小春は太知の婚約者亜紀と共に太知を探しに向かう。


【監督からのメッセージ】

本作『あいつをよろしく』は、現代社会において、私たちがつい見失ってしまいがちな“繋がりの大切さ”を描いた作品です。本作を通じて、少しでも他者と交わる手立てをみつけ、改めて“繋がりの大切さ”に気づくきっかけとなることを願います。家族、友人、恋人……皆さんにとっての身近な存在を想像しながらご覧ください。よろしくお願いします。
みりお

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