【偽りを信じる】
ロルカン・フィネガン監督×エヴァ・グリーン主演のスリラー作品
〈あらすじ〉
有名デザイナーのクリスティーンは、夫と幼い娘と悠々自適に暮らしていた。彼女は、仕事中にダニに寄生された犬の幻影に襲われて以来、原因不明の体調不良に悩まされていた。ある日、雇った覚えのないフィリピン人の乳母ダイアナにすすめられるまま民間療法に手を出すが…。
〈所感〉
『女神の継承』に似てる?呪術系故に説明が少なすぎて突拍子も無い奇々怪々な出来事の羅列だが、犬や虫の描写がなかなかに気味悪くて、悪い夢よりもリアルで嫌いではなかった。特にでっかいダニがベッドで足から顔に忍び寄ってくるところは虫好きの私でも流石に気持ち悪い。ノセボとはラテン語で「害する」と言う意味で、有名なプラセボの反対の現象とのこと。治療や薬に対するネガティブな期待や不安が、実際に体調の悪化や副作用のような症状を引き起こすことがある。偽りを信じることで人の体に悪影響を齎す。病は気からということだなぁ。要は、ダイアナが娘を失ったことによる復讐劇なのだが、できるだけ低コストで商品を製造するために、東南アジアの物価の安い土地に工場を建て、賃金で現地人をこき使ってるファストファッション業界への皮肉や警告も込められているように感じた。個人的にはやり方から映像まで中途半端に感じましたが、こういう気味悪いのが合う人には合うタイプの作品だと思います。