このレビューはネタバレを含みます
生きづらさを感じている三人のそれぞれの対話や生き方が縫い付けられていく刺繍のように繊細で美しかった。ミナがハリムの性的指向を受け入れ、そして死にゆく自分の代わりにユーセフにハリムを託す、という筋書きは理解できるし、映画を見ながら感動はしたけれども、女性が死ぬという展開は少々陳腐な気はしたし、マイノリティとしてのハリムの描き方の踏み込みが浅い印象はあった。ただ後者については異性愛しか認められないモロッコではこれ以上は描けないという現実的な制限があったのかもしれない。