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薔薇の名前のYYamadaのレビュー・感想・評価

薔薇の名前(1986年製作の映画)
3.8
【サスペンス映画のススメ】
〈ジャンル定義への当てはめ〉
 ○: 観客の緊張感を煽る
 ○: 超常現象なし

◆作品名:
薔薇の名前 (1986)
◆サスペンスの要素:
・修道士連続殺人の真相解明

〈本作の粗筋〉 eiga.comより抜粋
・宗教裁判が激化する14世紀のヨーロッパ。イギリスの修道士ウィリアムと見習い修道士アドソは、重要な会議に参加するため、北イタリアの修道院にやって来る。到着早々、彼らは修道院で若い修道士が不審な死を遂げたことを知る。
・院長によると、死んだ修道士は文書館で挿絵師として働いていたという。事件の調査を依頼されたウィリアムたちは真相を求めて奔走するが、さらなる殺人事件が起こり…。

〈見処〉
①中世は壮大なミステリー。
 修道士ショーン・コネリーが謎に挑む
・『薔薇の名前』は、1986年にフランス・イタリア・西ドイツ合作にて製作されたミステリー・サスペンス映画。
・『愛人 ラマン』『セブン・イヤーズ・イン・チベット』の名匠ジャン=ジャック・アノー監督が、ウンベルト・エーコの同名小説を実写映画化したもの。主演の修道士ウィリアムをショーン・コネリー(当時56歳)、見習い修道士アドソをクリスチャン・スレイター(当時17歳)が演じた。
・本作では3つのロケ地に、中世修道院での生活や道具、慣習などを詳細にわたり復元。北イタリア山地には、巨大な修道院と文書館のパネルによる野外セットを設営。修道院内部の礼拝堂等は、ドイツにある実際の修道院を改装して利用。迷宮図書館は、ローマ郊外のチネチッタ撮影所内部にセットを構築し撮影に及んでいるが、3ヶ所の撮影地を併用しているとは思えないほど、一体感のある壮麗な修道院を囲む城塞都市を体感出来る。

②結び…本作の見処は?
「ダヴィンチ・コード」シリーズのファンには、評価が高いこと間違いなしの一作。
◎: 「疑問こそ宗教の敵」という中世時代の描写が素晴らしくも生々しい作品。修道院の清貧な様式、魔女狩り、ロード・ウォーリアーズのような奇抜な修道士の散切りアタマ、強烈そうな家畜の獣臭…。人類史有数の暗黒時代の一つと思わせる時期に対するリアリティー高い舞台描写の映像価値が高い。
○:『ネバー・セイ・ネバー・アゲイン』(1983)、『ハイランダー悪魔の戦士』(1986)、『アンタッチャブル』(1987)、『インディ・ジョーンズ/最後の聖戦』(1989)など、俳優として最旬時期の「1986年のショーン・コネリー」を刮目したい。
○: 一方、 当時17歳のクリスチャン・スレーター青年には「ハリウッドの問題児」になるとは思えねほど、純真無垢でオーラがないのが、微笑ましい。
○: 中世ヨーロッパの仮面を被りつつ、謎解きミステリーとして楽しめる、裏「娯楽作品」。
▲: 映像・セット・配役・演技の全てが生々しい。超潔癖性の方は、苦手意識が発生するかもしれない。
▲: ネット配信サービスの画質が悪すぎる。リマスター版の登場を期待したい。

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愛しのフォロワー、🍟ポテトさんにご紹介いただき、鑑賞しました。辛口なしの高評価です、ありがとう!!

また、U-NEXT配信が2021年11月14日までだそうです。U-NEXTユーザーさんはお早めに!
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