このレビューはネタバレを含みます
ヒューマンドラマなコメディ作品としてお手本になるぐらい完璧だと感じた。ホームドラマでもある。
普通に考えたら二人がくっつく、と思うところがことごとく違う方に行くのが登場人物それそれがキチンと生きているように感じさせた。
感動的なビデオ映像のあとに消したい過去が流れるなど、劇場でウケただろうなと想像できるコメディシーンがいくつもあった。
オシッコをサポートしてあげたオチが「座ってすればよかった」は4コマ漫画的な笑いで好き。
最後の電気がついて母親が現れるファンタジーさも自然でいい。「家族のいるところが家」といったテーマ台詞も臭くない自然さ。扉を開けて遠くに行く、といった台詞も後に効いてきて巧い。
彼女に電話かけたら家の前にいて、彼女が「呼んだ?」と答えるのがオシャレ。下の食堂で食べる?という彼女の質問に「遠くに行く」と答えるのが良い。序盤と反対のことを言う、主人公の変化がハッキリと見える。
あとコメディ作品で転売ヤーが出るのが新鮮だった。大切なものを壊される不愉快より、転売商品を壊される方が観客へのストレスはないと作り手の判断だと解釈した。