松原慶太

イヴの総ての松原慶太のレビュー・感想・評価

イヴの総て(1950年製作の映画)
4.1
大女優マーゴ(ベティ・デイヴィス)の付き人をしていた、素朴で控えめな娘イブ(アン・バクスター)が、しだいに野心に満ちた本性をあらわし、手段を選ばず芸能界をのしあがっていく物語。「サンセット大通り」「何がジェーンに起ったか? 」などと同じくショービジネス内幕もの。

最近の作品だと「ブラックスワン」や「バードマン」の源流にあたる映画だと言える。しかしぜんぜん古くない。人間の内面に迫った、スリリングで怖い、そしておもしろい映画です。いやーラストのカットには痺れました。

ハリウッド映画が、なんだかんだで凄いなと思うのは、こういうショービジネスを内側から自己批判するような作品が、ごくごく初期からあったことです。

大女優マーゴ役のベティ・デイヴィスはさすがの演技力。落ち目になった美人女優で、若い子に嫉妬まるだしの感情をあらわにするみたいな役柄を、おそれず演じていることにリスペクト。

こうしたドロドロした映画を見たあとに、彼女の晩年の「八月の鯨」をみると、涙止まりませんわ。

イブ役のアン・バクスターはハッキリ言って顔もスタイルもいまいち。脇役で出ているマリリン・モンローのほうが、はるかに光り輝いている。しかしルックスがイマイチなぶん、逆に芸能界をのしあがる図太さみたいなのが引き立って見えるので、これはこれで意図的な配役なのでしょう。