土屋ノリオ

イヴの総ての土屋ノリオのレビュー・感想・評価

イヴの総て(1950年製作の映画)
4.5
午前十時の映画祭8で鑑賞した本作は、アカデミー賞では、作品、監督、脚本、助演男優、衣裳デザイン賞(白黒)、録音の各部門を受賞。米演劇界最高の栄誉とされる架空のサラ・シドンズ賞(現在は存在)授賞式から始まり、ラストも授賞式のシーンになって行くにだが、冒頭の本物であるかかのようなスピーチから、全てが明かされてからとの、比較が素晴らしく、本作のメッセージを強く感じる。

「真っ白な肌」
「濡れた唇」
「上目づかい」

女の野心を表した演技も恐ろしい程で、虚飾の世界では常に予備軍が存在し、

「欲望が無限ループ」

していく様が、今の時代に観ても色あせない。

のちに大スターとなる、当時無名だったマリリン・モンローの存在感は流石であるし、「映画史上最も優れたシナリオ」と呼ばれるもの納得できる、スクリーンで鑑賞してもらいたい作品。
土屋ノリオ

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