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イヴの総てのYOU5521のレビュー・感想・評価

イヴの総て(1950年製作の映画)
4.0
名画中の名画!をついに観た。
高校生の時何度も愛読して
ボロボロになる
最近まで手元に置いていた
現代教養文庫『世界映画名作全史』(勝俣勝人)。
当時まだレンタルショップがなく
いつか観れたら良いなあと思っていた。
「総て」が読めなくて
「そうて?」と悩んでいた。
常用漢字にはない読みなのだ。
大人になって知らず知らず
「総(すべ)て」と
すんなり読めるようになった

あれから数十年。こういう再会もあるんだね。
人生、というか、映画って
ほんと不思議な出逢いに満ちている

ここ一年くらい前、よく行くツタヤで見かけて
いつか借りようと思っいたが
観る機会はなかった。
たまっていた録画もあったし

最近『ラ・ラ・ランド』を観た時
アカデミー賞ノミネート数が
『イヴの総て』と並ぶと何かで読んで、
吸い込まれるように観ようと思った

満を持してみる名画はやっぱりいい

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後でわかったが
やっぱり…あの新人女優はマリリン・モンローか。
光るものがあった。
チャンスをものにしようと勇んでいくところ。
目つきが印象的。
ああいうのモンローっていいよね。
ほんの端役なんだけど存在感あった。
美しいし。目をひくものがあった

そのモンローでさえ
甘ちゃんに見えるくらいの
イヴの総て。
純粋で嫌味がないと誰もが認める女性が
どんどん大女優の道を駆け上がっていくごと
豹変していく。
大女優と新進女優の話はいくつもあるが
ほぼこれが元祖と言ってよいだろう。
成功する話もあれば挫折する話もある。
かつての栄光にしがみつき老醜をさらす話もある。
『サンセット大通り』と
それのオマージュ、D・リンチ監督の
『マルホランド・ドライブ』が個人的には印象深い

この『イヴの総て』はそれらとはまたちょっと違う。
盛者必衰なのだが、
いろんなドラマが内包されている。
そしてラストがまた良い。
名作の名作たる所以だ。

現代の映画みたいに
人は死なないし爆弾も破裂しない。
でもこんなに心に残る映画はそうはない。
ラスト対面鏡に延々と自分が映り
それが観衆にも見えるなか自分にうっとりする女性。
映画史に残る名シーンだと思う
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