カタパルトスープレックス

イヴの総てのカタパルトスープレックスのレビュー・感想・評価

イヴの総て(1950年製作の映画)
3.9
※マリリン・モンローの映画ではありません。
※BDのジャケはこちら
https://www.amazon.co.jp/dp/B07T6NMGYT/

ジョセフ・マンキウィッツ監督作品の中でおそらく最も有名な作品です。ベティ・デイヴィスとアン・バクスターのダブル主演のため、票が割れてアカデミー主演女優賞を逃してしまったのが惜しい!両主演女優の演技はそれくらい甲乙つけがたい素晴らしさなんですけどね。

この作品は舞台女優を目指す若い女性が熟練女優を踏み台にしてのし上がる話です。ジョセフ・マンキウィッツ監督は少しユニークなアングルで作品を仕上げることが多いのですが、この作品は正々堂々ドラマですね。脚本がストレートなので、演者の演技力がそのまま現れてきます。まず、ベティ・デイヴィスの老練女優ぶりの演技も素晴らしい。アカデミー主演女優賞を二回獲得した1930年代とはまた違った魅力です。そして、アン・バクスターですよ!淑女と悪女が同居する。その裏表のある演技。うーん、でもやっぱり主演女優賞はベティ・デイヴィスだな!

ただ、同時期の他のジョセフ・マンキウィッツ監督作品と比べるとストレートすぎるんですよね。もっとヒネリを期待してしまう。普通のドラマとして観るか、ジョセフ・マンキウィッツ監督作品として観るかで評価が変わると思います。

なぜFilmarksは端役のマリリン・モンローの写真がアップのポスターを使っているのでしょうか?普通にこの作品のポスターはベティ・デイヴィスとアン・バクスターなんです。わざわざ極レアなマリリンポスター。あえてその選択をするのが作品へのリスペクトがないというか、映画愛を感じないというか。目立てばいいのですかね?こういうあざといの嫌いです。