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イヴの総てのadeamのレビュー・感想・評価

イヴの総て(1950年製作の映画)
3.0
上に行くためなら使える人脈はとことん利用し、世話になった人でも踏み台にするショービジネス界の恐ろしさをまざまざと見せつけたバックステージものの名作。
素直で純真に見えた人物に、計算高く自分を出しにする腹黒さが垣間見えた時の恐怖はさながらサイコスリラーでした。
終盤に秘密を暴かれた際の取り乱し方は、人間味というよりキャラのブレに感じてしまい、その後そしらぬ顔で賞を受け取り、感謝の言葉を述べる姿にはイマイチつながりませんでしたし、さらにその後の部屋でのファンに対する横柄で高慢な態度も違和感でした。
因果応報を思わせる強烈なラストを用意しているなら、真実を知られようと意に介さずにのし上がるような冷酷さと図太さを強調していた方が、その皮肉がより際立ったような気がしました。
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