イヴの総ての作品情報・感想・評価

「イヴの総て」に投稿された感想・評価

薫

薫の感想・評価

4.0
2018年に観ても、古臭さを感じさせず通じるストーリー。
アメリカの演劇界で成り上がる新人女優と、彼女に利用される業界人。ラストの鏡のシーンが強烈です。
karayu

karayuの感想・評価

3.6
芸能界で成り上がるための寓話的な映画。
そこにあるのは、方法論ではなくて、自分が上がる。それだけ。
それほどまでに、利己主義的にさせてしまう芸能の怖さ。
女性の怖さ。
ホラー的な怖さはありませんが、心の奥を突かれるような、そんな気持ちになります。


あらすじ
田舎からやってきた女優志望のイヴは、名女優マーゴに見惚れていた。
ある日、劇作家の妻カレンと出会ったイヴは、マーゴと引き合わせてもらう。
マーゴは自分の大ファンだというイヴを快く思い、住み込みで仕事を与える。
しかし、イヴには別の顔があ理、次第に批評家やマーゴの取り巻きの間に取り入っていくのであった。
ある日の舞台に間に合わなかったマーゴの代役として、イヴは舞台へ出演したことで、批評家から絶賛の声を浴びる事になる。
それを機に、マーゴを踏み台にしたイヴはスターへの階段を駆け上がっていく。


感想
豹変するイヴ
方法論としての是非は語れないが、今作は芸能界でのし上がるための寓話的側面をメインに描かれている。
地道にオーディションを受けて這い上がるのか、制作側に繕いダイレクトに仕事をもらうのか。
言い換えればアナログかデジタルか、のようにも見えてくる。
旧来的な方法で役をもらうのか、現代的な方法で役をもらうのか。
もちろん、イヴは後者であり、実にそれが巧みであった。
その巧みさ故に、恐怖にも感じる。
もともと、イヴは名女優マーゴに憧れの目を向けていたが、物語が進むに連れてイヴは豹変していく。
しかし、イヴは始めからマーゴを蹴落とす狙いがあったのかは、不明瞭。
マーゴと関わるに連れて蹴落とす計画を立て始めたのか、それともはじめからマーゴを蹴落とす算段だったのか。
本質的なイヴの心理はわからない。
どちらにしても芸能界で生き抜くためのイヴの言動は恐怖である。
関わるに連れて想起したのであれば、それも欲に溺れていく姿が、また怖い。
最初からであれば、私欲のために偽り演技していた彼女は、さらに怖い。
しかし、芸能の世界はそれ程甘いものではないということを示唆させる。
少なからず芸能に携わっていた自分としては、身近に”芸能界の恐怖”を感じたこともある。
事務所は基本的に仲介者であるわけだが、タレントと制作が直に関わり仕事になるのは、恐怖である。
というのも、それでは仲介の意、つまりは事務所の存在意義がなくなるからだ。
でも、時代の流れでもあるし事務所のビジネスモデルの終焉ということも示唆させる。
今作では時代的に女優や劇作家とアナログな繋がり、リアルな繋がりから這い上がろうとするわけだが、現代であれば掴みの部分はインターネットで事足りる。
というのも、現代はタレントと制作がダイレクトな関係を持てるから。
SNSで直接依頼があって仕事へ、というのはすでに珍しくもなんともない。
実際に自分はほとんどがそうだった。
そこで、今作はその旧来的なアナログの恐怖が見事に描き出されている。

ラストで示唆させる次なる物語
豹変していくイヴの恐怖を描いている本作であるが、ラストではその連鎖がまた描かれている。
マーゴを踏み台にして地位を獲得していったイヴだったが、ラストシーンでイヴのもとへやって来たのは、イヴがマーゴに取り入った時のように、裏で何を考えているかわからない少女だった。
一度は、マーゴを蹴落として這い上がったイヴだったが、彼女もまた新たな女性に蹴落とされる可能性を秘めているという事が容易に想像できる。
なんにせよ、利己主義にかられ成り上がったても、それは1時だけで継続性がないということを語っている。
マーゴがそうだったように、イヴもまた。それもまた寓話的。
サンセット大通りとまとめてスクリーンで観れて良かった
やはり嚆矢的作品に触れるのはいいですね
イヴやり込められシーン最高だった
マーゴ救済ルートなんだ、というのは意外だった
ただ終わりなき反復を暗示するラストなどは、とはいえイヴはまだ駆け出しなのだから、あまり効果的に表現できておらず、最後の最後で若干残念
これを踏まえて、吉村公三郎『夜の素顔』など、この類型の作品を観直すと楽しみ増すだろうな
Masumi

Masumiの感想・評価

3.7
これは、、、古き良き大女優映画!!皆さま名演技!!

似た雰囲気の映画をいくつか観てる気がするので、そこまで驚きはなかったものの。プロットが秀逸で役者も申し分なく、見応えありました。

ベテラン女優の憂鬱と、新進女優の野心、なにげに利害一致じゃってたとこが爽快。そこで終わってしまっても良かったのに、と個人的に思ったり。ラストはぞわぞわ〜
nrm

nrmの感想・評価

-
イヴのような純真ぶった小賢しい女は昔からいるんでしょう。結局、栄光を手にしても共に祝ってくれる真の友達がいないのは哀れだし、正直スカッとする。男の人も女が考えている程馬鹿ばっかりでもないのが救い。終わり方がとても良い。因果応報。

ベティ・デイヴィスのような気の強そうな女性の方が案外真っ当な人間だったりするんですよね。憧れです。
ichi

ichiの感想・評価

3.8
純粋そのものだったイヴの裏側がだんだん見えてくるのがこわいけどおもしろい!女優さんの世界はすごいなぁ。。
マリリンモンローはやっぱりかわいい!
magnolia

magnoliaの感想・評価

4.8
女性3人の奇跡の相互作用で展開される物語が圧倒的で見応えがある、女性ならではのドロドロだが、うまい構成で"くだらなさ"がない

マーゴが幸せの一歩を踏み出す夕食の席が最高、そこまでのあがきや苦悩を超えて、完全な信頼による女性の肩の力の抜け方、険のなくなり方の表現に感服、ベティ・デイヴィスさんの怪演
to Margo, to my bride-to-be  -- glory hallelujah

女性特有の不可解さを完全に包み込んで、最悪の時に「僕がいる」と助けに来るビルはほぼ王子様、ゲイリー・メリルさん完璧にかっこいい
i'm at the "de trop" ?
-- maybe just a little around the edges

アディソンからカレンにすっと語り手が変わる冒頭も良かったなぁ
「プロデューサーの妻」であるカレンの差し色もいい
冒頭のシーンに戻るラスト、イヴの顔も言葉も同じものには見えない構成の妙

* you can always put that award where your heart ought to be
* that instinct is worth millions, you can't buy it , cherish it
Marrikuri

Marrikuriの感想・評価

2.3
★褒めどころ★
❶ 主演ベティ・デイヴィスの演技は、何よりも誰よりも段違いに観客を味方につけるパワーを最キープ。いつもながら彼女こそ、女優の中の女優!
❷ プラチナブロンド短髪の演出家夫人カレン役のセレステ・ホルムが可愛くて “微炭酸” 効いてて観やすさに貢献!
❸ 結末のささやかな工夫(悪ループ)は面白。

★貶しどころ★
❶ 全体としてストーリーテリングが余裕かましすぎ。結末まぎわのこと(授賞式=悪の勝利)をいきなり冒頭で明かしちゃって、そこから始発点に戻って、妙に自信ありげに堂々進む。なぜそんなに堂々と? まるで駅前ターミナルから大通りをただひたすら直進直進直進してカーブゼロ(例えば東京JR国立駅からの大学通りとか)みたいにストーリーが行く。蛇行一切なし。なさすぎ。「悪」が順調に周りを喰っていく。(お洒落な国立の大学通りは春なんかは桜がスゴイし全然好きだけども)この物語は、そこまで面白いか? やたらと喋る台本。画や間合いや佇まいで語るとかせず、最初っから最後まで人物たちがセリフを言いまくってる。ご苦労さま。でもね、息が詰まってくるよ。「悪がいかにして勝っていくか」は不愉快だもん。ハリウッドの裏話暴露って意義はまあどうでもいい。スポーツやアメリカンプロレスだったら終盤に観客の暴動を呼んじゃう典型的な “反興行的” 展開だ。ラストにだけ、初めて急カーブみたいな芸当で深みを出してくれたけど、それまでにくたびれちゃったよ。完全に時系列で(悪がどうなるかを予測させずに)行って授賞式シーン(悪が勝ちました)は終盤一回きりにしたほうがよかった。真に自信があるならね。結局、ムダに長いんだ。半分の尺で表現しきれる話なのに。
❷ 映像表現上の致命傷はむしろこっち。悪の主役イヴ(アン・バクスター)が、容姿・雰囲気・演技力ともにあまりにも地味で凡庸でパッとしなくて、彼女の何一つとして私たちに脅威を与えてくれないから、本当のところマーゴ(ベティさん)に脅威を与えてるようにもとても思えない。バクスターが完全にウィークポイント。彼女の演じたイヴが舞台上でいかに好演したかを一回も見せてくれなかったし。これじゃ私の関心を呼ばない。マリリン・モンローがイヴ役やればよかったのに。これ絶対。配役ミス。
❸ 劇伴が、『風と共に去りぬ』の劣化版みたいな生アクビ曲。

[エアコンが全然効いてない奇妙な映画館で「早く終わんないかなー」と思いながら観た。]
ブロードウェイの幕内を舞台にした古典的傑作。

じわりと進行していく不気味な侵食のさまがみごとにえがかれる秀逸な脚本と演出。
べディ・デイヴィスのはまり具合、アン・バクスターの怖いまでの美しさをはじめとして、揃いも揃った俳優陣もさすが。

この世界であれば、いつどこでも起きうることなのだと示唆するラストショット。
2019.08.06.(Tue)「名脚本家から名監督へ」 @シネマヴェーラ渋谷
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