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ロビン・フッドのRenのレビュー・感想・評価

ロビン・フッド(1973年製作の映画)
3.0
ウォルト・ディズニーが1966年に他界したのち、ディズニー映画はしばらくのあいだ、俗に言う “暗黒期“ に突入してしまいます 。『ロビン・フッド』も、そんな暗黒期真っ只中に公開された作品。スルーされがちですが、結構面白いです。

お手本のような起承転結に勧善懲悪、アクション、恋愛など映画のワクワク要素をしっかり含みつつ、1時間半以内に収めてしまう技量は素晴らしいです。無駄はカットし、面白いところだけを見せてやろうという製作側の意気込みを感じます。
そして登場キャラがとにかく全員かわいい!デザインはもちろん、ちゃんと個性の描き分けもされていて全員に見せ場があります。今作の悪役・プリンス・ジョンは虚勢をはっているものの騙されやすく臆病でマザコン、“悪“ としての面を見せつつ嫌悪感を抱かせない設定の隙の無さはさすがです。

この映画、税金の徴収に苦しむ住民を救うという、一歩間違えたらかなりリアルでシリアスになってしまう内容も含まれています。が、そこは天下のディズニー、誰でも楽しめる娯楽映画に昇華させました。近年のヒット作『ズートピア』の起源は今作にあるのではないかと思ったりもします。

確かに『美女と野獣』等の名作と比べてしまうと物足りなさはかなりありますが、何も考えずとにかく楽しめる良作です。小さいお子さんと一緒に家族で観るのも良いかもしれません。
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