記録。
さよならの数だけ、愛が深まる
イタリアで国民的大ヒットを記録したらしい、『幸せのちから』ガブリエレ・ムッチーノ監督の最新作。
“宝石”の名の通りの美貌を誇るジェンマ、彼女に初恋をするパオロ。16歳の2人は出会って瞬く間に恋に落ち、パオロの親友ジュリオとリッカルドと共に輝かしい青春の日々を過ごす。しかし母親を亡くしたジェンマは叔母の元に引き取られる事に…。
ジェンマ、パオロ、ジュリオ、リッカルドの4人が駆け抜けた1982年から2022年。
実に40年もの時間が凝縮された本作は、人生そのものと言える映画でした。ある人物に注目すれば純愛モノでしょうね。
40年。そりゃ良い事も悪い事もあるわけで、友情・恋愛・成功・堕落・裏切りetc…とにかく色々あります。
若いから?お国柄?やたら情熱的な恋愛に「やれやれだぜ」と頬を緩ます瞬間もあれば、別々の道を歩み始め、それぞれに色んなもの抱える4人を見ていて居た堪れなくなることも。
面白いなと思ったのは、やたら登場人物がこちらに話しかけて第四の壁を破ってくる事。意図的に感情移入の余地を狭め客観視させる事で4人の40年を難なく俯瞰させているのだと思いました。知らんけど。
結局は色々あったけど人生って良いよね、なんですが個人的な感覚で言えばちょっとキレイに帰結し過ぎでしたかね。
きっとああいう風にはなれない。
だけど、だからこそ、この映画は眩しいのだと思いました。
観る年代やタイミングによって印象が変わりそうな映画です。
何年後かに観たらどう感じるんだろうか。そんな事を思いながら劇場を後にしました。