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クリード 過去の逆襲のコズモのネタバレレビュー・内容・結末

クリード 過去の逆襲(2023年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

大好きなシリーズの5年ぶりの新作であり、監督としてのマイケル・B・ジョーダンの作家性などが見れて面白い部分もあったのだが、過去2作ほどの感動は得られなかったと言うのが正直なところ。

その理由はいくつかあるが、個人的に考える最たるものは「展開自体の熱さ」以上の驚きや演出がなかったことだ。

本作のドラマの核は「過去の因縁とその精算」であり、マイケル・B・ジョーダン監督のアニメ趣味に寄せて言わせて貰えば「あんなに一緒だったのに」的な2人の男の激突であり(そういえばアドニス少年の部屋にガンプラがあった)、それ自体は熱い物語である。

だが正直に言わせて貰えばその結末ははっきりとした勝敗のみが目立つ素直すぎるものだった。

1作目の自分が過ちでないことを証明しようとするアドニスが立ち上がる直前にチラつくある人物の影、2作目の父親としてのアイヴァン・ドラゴの勝ち負けを超えた選択、こういった観客の想像を超える驚きが本作のクライマックスでは弱かったと思ってしまった。

監督曰く、本作の核は許しであり、それこそが本作の展開に加わる厚みであり感動的な部分のだろうがジャパニメーションに習ったとされるスローモーションや幻影に囲まれたリングで戦う2人の男の絵はそこから離れてしまってはいないだろうか。

そして試合後に互いを許し合うアドニスとデイムを見てもドラゴはデイムを許せないだろうなと思わずにはいられなかった。

クレジット後のアニメについてはなにも理解できず頭が真っ白になったしあれがアーウィン・ウィンクラー、ライアン・クーグラー、マイケル・B・ジョーダンたちが本当にやりたいことならそりゃスタローンと道を違えるよとがっくりきた。

パンフレットは流石、松竹の事業推進部さん。
スタッフ、出演者のインタビューやプロダクションノートといった文章が多いだけでなく、最後のla決戦を日本アマチュアボクシング連盟副会長の井崎洋志氏がドキュメンタリー風に語る記事など内容盛りだくさん。
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