父アポロ・クリードと師ロッキー・バルボアの名も霞むほどの快進撃を続ける現ヘビー級チャンプのアドニス・ジョンソン・クリード。聴覚障害を抱える妻子との生活を優先して引退を決めた彼が、過酷な孤児院時代の幼馴染で二十年ぶりに出所したデイミアン・アンダーソンと再会し、かつての過ちと対峙する様を描いたボクシング映画です。
ライアン・クーグラーが制作を熱望して実現させた『ロッキー』の後継シリーズの第三弾で、場外のいざこざもあった一方で本家でスタローンがそうしたように主演マイケル・B・ジョーダンが監督を兼任。『在り続ける者』ジョナサン・メジャースを相手にしたスポーツ映画初のIMAXカメラ導入らの挑戦が受け入られて北米で好評を得ました。
人気作を担うプレッシャーに負けずジョーダンが自己流を表現していて、日本のアニメの影響から劇的なファイト、クーグラーの影響から複雑な二人の男の対比を描きます。それがロッキーらしいかは議論があって上手く消化しきれずな所も見受けられますが、それらを含めてmistakeなどないと『クリード』としての独歩を宣言する一作です。