カタパルトスープレックス

クリード 過去の逆襲のカタパルトスープレックスのレビュー・感想・評価

クリード 過去の逆襲(2023年製作の映画)
3.4
「ロッキー」シリーズの正当な続編「クリード」シリーズの三作目。今回はロッキーから独立したクリードとしての物語。主演のマイケル・B・ジョーダンが監督も務めます。脚本は初代監督ライアン・クーグラーの兄弟のキーナン・クーグラー。いろんな意味で世代交代。

「クリード」シリーズの一貫したテーマは「強さとは」だと思います。そしてその強さは「自分の弱さを包み込む強さ」だと受け取っています。今回の敵は「自分自身」です。前作まではロッキーがサポートしてくれましたが、本作からクリードが自分自身で乗り越えていかなければいけない。

今回の敵役は幼馴染で出所したばかりのデイム・アンダーソン(ジョナサン・メジャース)です。ボクサーとしてチャンピオンになるのを夢見たデイムはなぜ服役することになったのか?アドニスとの関わりは?

今回も一回逆境に立たされてから、それを乗り越えて……という「ロッキー」シリーズ王道の安定テンプレ展開。そこはブレない。

前作『クリード/炎の宿敵』(2018年)は敵役の掘り下げが浅いのが欠点でした。本作では敵役の位置付けが非常に重要なので、前作で足りなかった部分が補完されています。本当の意味で『ロッキー4』を伏線として回収したのは前作じゃなくて、本作だと思います。ヴィクター・ドラゴは次作もあるのであれば、ぜひもっと活躍してほしい。

ジョナサン・メジャースは強さと弱さを合わせ持つ難しい役割を演じるのが得意ですよね。同じくジョナサン・メジャースが演じるMCUフェーズ4以降の最大のヴィランも羊の皮を被った狼的な複雑な役割なのですが、本作のデイム・アンダーソンも同じ。

ただ、なぜ長年服役していたデイム・アンダーソンがそんなに強いの?ってのはある。まあ、「ロッキー」シリーズに本物らしさを求めちゃダメよ……ですが。勢いだけで楽しめ!と思える人向け。

他のユーザーの感想・評価

ななし

ななしの感想・評価

3.5
不自然なまでに「ロッキー」について触れないことから、本作が「クリード」としての独自のサーガを築こうとした意図は十分に理解できる。

しかしながら、クリードというキャラクターのオリジナリティは「ヤンキー育ちではない」「不良ではない」ことにあったと思うのだが、その点が後退というか"歴史修正"されている気がしないでもない。育ち悪いもののドラマでは本家ロッキーの劣化版になるだけだと思うのだが。

さらにいえば、本作の敵は「同じ施設で育った兄貴分」なのだが、それとクリード自身の「引退からのカムバック」という要素が残念ながら決定的に噛み合ってない。

3年前に引退したクリードは現役復帰のために厳しいトレーニングに励むのだが、その様子を見ながら「けど相手は年上やからなあ」というツッコミがよぎってしまう。要素のかけ算を間違えた感じ。

それと娘とのエピソードは完全に消化不良で、ちょっかいかけられたからといって聾学校の友だちをブン殴るのはダメだし、それをかばうクリードもちゃんと反省しないと「父としての成長」を描けないでしょ。

──と、前2作がよすぎたゆえに、いろいろと言いたいことは思い浮かぶが、それでも迫力のボクシングシーンなどで映画代のもとはとれたなあ、と思う。
Kaz66

Kaz66の感想・評価

3.5
今作にスタローンの姿はない…。
製作に名を連ねているが、ウィンクラー氏との契約のイザコザが心情的に残ってるので、今作を”ROCKY SAGA”の最終章として位置付けるのは無理があるだろう。
また、クリード1,2の立役者:ライアン・クーグラー監督も原案・製作にちょこっと顔を出す程度で“仲違い”ではないにせよ一歩身を引いてる感じ…。なので、“CREED DECADE”としても、ちょっと異質な作風となっている。
という事で、今作は監督・主演を務めるマイケルBジョーダンのパーソナルな色濃い作品であり、物語もアドニス・クリードのパーソナルな物語となっている。
”ROCKY SAGA”とは別モノ!として捉えると決して駄作ではないと思うし、MBJの構図や演出もある種のこだわりやカッコよさが出てるんだけど…。”その線”での期待が大きいし残念に思う部分が目立つ状態なのだと思う。個人的には、もっと過酷なトレーニング・シーンやダウンを取り合うファイト・シーンを期待してたなー。
旧友(兄)デイムを演じたジョナサン・メジャースの身体作りや演技は凄かったし、“BLM”映画としてはそれなりの“品格”があったと思うのだが、やっぱりシリーズ・ファンと“求めるモノ”が違ってたという印象。あのアニメもなぁ…😓
Annu

Annuの感想・評価

-
完結作としては良いのではないでしょうか!

マイケルBジョーダンの肉体美と夫婦の美しさよ
築浩

築浩の感想・評価

2.5
5/27:丸の内ピカデリー
[Theater]#2
観賞記録:2023-216
観客数:10人弱
ロッキーシリーズ(?)最高収入。
遂にスライの手を離れどこへ向かう。
OPにマイケルBジョーダンからはじめの一歩や日本のアニメ・漫画にインスパイア受けたとの説明。
ドラマを削って、ボクシングシーンを厚くしたが、正直ぺらっぺら…。
公開直後の話題作なはずが、上記の客入りなのも…。
まあ、ロッキーシリーズ。全部見ています。つまらなくなりようがないので鑑賞。過去の思い出したくもない記憶を蘇らせる悪友、旧友の出現、これまでの恨みつらみは拳で語り合おうぜ映画。良かったです。ただちょっと不満というかアレなのは、このシリーズの見どころって特訓シーンなんですよね。行きたくもない山に行ったり、これ使わなくてもいいんじゃね、という器具を使ったハードトレーニングとか。その辺りにちと物足りなさは感じました。それでもいざ戦いになった時の、これは2人の問題で決着をつけなくてはいけないんだ的演出が効いていたと思います。このシリーズもこれで終わりか。寂しくなりますね。あとマイケル・B・ジョーダン。本当に日本の漫画、アニメ好きなんですね。
これは中々の凡作だと思う。
マイケル・B・ジョーダンがやりたいこと「アニメ的な演出)は分かるがことロッキーシリーズの看板だけに浮いている。
それにしてもあのアニメは何だったんだ?
SHINJIDAI!
特訓と試合パートは普通にアツかった

ドラマパートは微妙

クリードは子育てにちゃんと向き合ってて偉い

最後のアニメは意味不明だけど、マイケルBジョーダンが満足したなら良かったです。
ジェネリック・ロッキー、今回もあかんかった。
全編突っ込みどころだらけ。
ノイズが気になって脳が受け入れることを拒否。

●何故ロッキーの存在をこうまで都合よく消せるのか?
(クリードとロッキーが交わらない別のマルチバースの話か?)
●ボクサーがビーフの結果とはいえ、リング以外で安易に手を出す。
●チャンプとはいえ、神聖なリングで子供と遊ぶな
(某首相の長男並みの公私混同メンタリティー)
●肝心のファイトシーンが突然ファンタジー化する。それ無理やし。

このレビューはネタバレを含みます

最後の試合
ダウンするところで
うわわわ〜ってなりました。

アニメは...
観たいなあ...。
映画になるのかしら...。
エムズ

エムズの感想・評価

3.5
クリード3アメリカでは大ヒットらしいが率直に1と2に比べて話も盛り上がりもいまいちな感じだった
マイケル・B・ジョーダンの初監督にして良いところも勿論あるけど…
あまりにストーリー展開に無理が有るよねプロデビュー戦が?

でもデイミアン役のジョナサン・メイジャーズはMCUアントマンのカーン役よりも数段良かった
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