たんぐすてん

オットーという男のたんぐすてんのレビュー・感想・評価

オットーという男(2022年製作の映画)
4.2
視聴通算518作目 2023/74作目、映画館鑑賞25作目 2023/3/11 映画館

偏屈なオットーの生き方。

まず初めに、予告やあらすじ、ポスターなどで「町一番の嫌われ者」とプロモーションされていたが、そんなこと一切ありません。
オットーが無愛想なだけで周りの人はみんな良い人で、オットーに寄り添おうとしています。
日本メディアの雑な変換やめてください。

開幕と同時にオットーの偏屈さが垣間見える。
それがどこか面白く笑いが起きる。
フィートとヤードの長さの違いであんなに面白くオットーを演じられるトムハンクスはやはりコメディアンなだけあるなと。
その後ジミーが「やあ!オットー!」と声をかける。
ここでまず「町一番の嫌われ者」ではないなと感じた。
逆に言うと嫌われてなくてよかったとまで感じた。

朝刊が芝生に投げられていてため息をつく。
マリソル一家が越してきて彼はお得意の見回りでトミーを注意する。
などなど、ルールに厳しいオットー。

妻のソーニャに先立たれ、「死ぬ」ことを考えていたオットーはあらゆる方法で死を選ぼうとするが毎度誰かに邪魔をされる。
しかしその度に邪魔してきた誰かをオットーは助ける。
その手助けがつながっていく。
最後にはちゃんとオットーが助けた人々がオットーを助けるという激アツ展開になっていた。

それからオットーは3年間マリソル一家と仲良く過ごしていたことがマリソル家の額縁写真でわかる。
オットーの最期はソーニャが亡くなってからの孤独とは違い幸運のメダルを手に、笑っているようにすら見えた。

トムハンクスの演技がとにかく最高だった。
雪かきの時の謎の「んっ」という声やマリソルの料理に舌鼓を打つ表情など彼にしか演じられないような独特な雰囲気。
トムハンクスの映画の中で一番好きかもしれない。(にわかだからなんともいえんが)