ごんす

オットーという男のごんすのレビュー・感想・評価

オットーという男(2022年製作の映画)
3.2
自分が観た映画館ではかなり混んでいて特に中高年層からのトム・ハンクス人気を強く感じた。 
オリジナルの『幸せなひとりぼっち』に比べるとかなり大味な印象。
設定も変わっていないけど、個人的には登場人物はオリジナルの方が魅力的に感じた。
本作のオットーもチャーミングな所があるしさすがのトム・ハンクスに泣かされはする。
しかし若かりし頃の妻との出逢いや幼き頃の父親とのエピソードが少し弱く感じてしまい、現在の彼の人格形成に多大な影響を与えたであろう記憶としては少し物足りない。
先立たれたことで自死を選ぼうとするぐらい愛していた妻との馴れ初めがオリジナルと同じように回想しているのにこちらはどうもグッとこなかった。
何よりこの話は最初何だこのジジイと思わせてから少しずつ好きになり観賞後には愛しい人物になっている所が魅力だったと思うけど自分が今まで観てきたトムハンの優しい眼差しがうっすら残っていて安心して観てしまい個人的には合わなかった。

オリジナルからの改編で一番良かった所は前半の退職する際の同僚とのやり取りで顔写真の入ったケーキのシーン。
笑っていたけれど終盤で上手に伏線回収され涙。
あざとくないし凄く良いなと思った。

『コーダ』と『エール』でリメイクとオリジナルの比較がとても面白かったので期待したけれど今回はオリジナルが好きだったことに気が付いた。
今年観た文句言ってる程は悪くない映画一位。
ネコデミー界隈でも人気の作品でリメイク、オリジナルともに演者(演猫)は素晴らしいのだが演出面でオリジナルの方が好み。
ごんす

ごんす