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オットーという男のkojikojiのレビュー・感想・評価

オットーという男(2022年製作の映画)
4.3
#1219
2022年 アメリカ🇺🇸/スウェーデン🇸🇪映画
監督はマーク・フォースター
「007慰めの報酬」「チョコレート」の監督

泣き虫が、久しく泣いてなかった。涙も枯れたかと心配していたが、この映画は泣いた。
オリジナルも観ている。ストーリーはひねりもなくシンプルで、十分知ってるのに、泣いた。トム・ハンクスは安定の演技力。傑作だ。

妻を亡くし、定年退職もしたオットー(トム・ハンクス)は、毎日地域の見回りをするという変わった男。住民はうるさい彼を嫌う者も多い。
彼は早く妻の元に行こう考えており、首吊り自殺を試みるが、死ねない。この後も繰り返し色々な方法で自殺を試みるがもどれもうまくいかない。
そんな時、家の前に引っ越してきたメキシコ🇲🇽人の人妻マリソル(マリアナ・トレビーニョ)が、やたらオットーに頼み事をしてくる。
放っておけないような、しかし心が広い彼女にいつしかオットーの心が開いていく。

このマリソルがすごくいい。明るく陽気であったかい。こちらまであったかくなる。
オットーの偏屈なこだわりを全く気にしない態度が、オットーも次第にどこかで認めだす。
この移民家族との交流が可笑しく、あったかい。
そういえば、クリント・イーストウッドの「グラン・トリノ」を彷彿させる。移民の隣人の素朴さに頑固じーさんが心を開いていくところはよく似ている。

決してお涙頂戴の映画でもない。シンプルなストーリー、ハッピーエンドが気持ちがいい映画だ。そしてラストのシーンは必ず泣けるはず。

2023.06.03視聴254
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