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Rodeo ロデオのsonozyのレビュー・感想・評価

Rodeo ロデオ(2022年製作の映画)
3.5
ローラ・キヴォロン監督のデビュー作。
バイクを偏愛する狂犬のようなキャラのジュリアの物語。
カンヌ国際映画祭 ある視点部門で、Jury Coup de Coeur(審査員の心を射抜いた作品)受賞

クロスビチューム(cross-bitume)と呼ばれる、アスファルトの道路をオフロードバイクで、ウィリーやドリフトなどのトリッキーなスタイルで走り抜けるバイカーたちに勝手に加わるジュリア。
彼らは、服役中の首謀者ドミノの下でバイク解体&密売をするグループだった。

キヴォロン監督同様、性自認/性表現に男性・女性の枠を当てはめないノンバイナリーとみられるジュリアなので、男たちの中の紅一点という感覚など微塵も感じさせず、メンバーから煙たがられながらも、バイクを盗むプロ?的なポジションを得ていくのだが・・

ジュリアに唯一好意を抱く男カイスと、彼の母オフェリー(服役中のドミノの妻)に世話になるジュリア。
服役中ながらドミノの監視下でほとんど家から出れず、子育てにストレス爆発気味のオフェリーとの関係も揺らぐ。
※オフェリーを演じたアントニア・ブレジは監督の恋人で脚本も共同で担当してます。

ジュリア役のジュリー・ルドルーが冒頭から野生児的な強烈キャラですが、セージ(ハーブ)を燻して邪気を払う的なシーンがあったり、ラストの意外な展開で、スピリチュアルな印象も残すなんとも不思議な存在感でした。

〈補足〉
クロスビチューム(cross-bitume)
仏語では他にrodéo urbain、英語ではurban rodeoやurban motocrossと呼ばれていて、事故の多さで問題視されているようです。
今は乗りませんが、昔、中型バイクの免許を取った時、本作に出てくるようなオフロードにするかオンロードにするか随分迷ったのを思い出しました。(結局オフロードはやめましたが、あのウィリーはチャレンジしてみたかった。)
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