わたぼう

それでも私は生きていくのわたぼうのレビュー・感想・評価

それでも私は生きていく(2022年製作の映画)
3.9
フランス映画祭2022にて。

父親が病気で記憶を失っていき、介護の問題と恋と生活の狭間で揺れるシングルマザーの物語。ミア・ハンセン・ラヴ監督の父親がモデルとなっていてほぼ実体験なのだそうだ。パスカル・グレゴリーもミアの父の録音音声を聴いて、役作りに役立てたそうだ。そのあたりはとてもリアル。

恋人となるメルヴィル・プボーはミアのフィアンセがモデルだそうで、ほぼ監督の人生が映画になってる。

自分もほんの少し似たような経験があり、とても心に沁みた。親の記憶がなくなる恐怖と悲しみ。

記憶の失った父の面影はもう本棚の蔵書しかない、というセリフが突き刺さる。

ただ父親記憶がなくなる話は最近では『ファーザー』が強力すぎて、それと比べるとどうしてもインパクトは薄い。やさしい映画だとは思うのだけど。

メルヴィル・プボー&パスカル・グレゴリーにサインもらって写真も撮ってもらったのだけど、二人とも物腰がやわらかく、とてもやさしい目をしていた。
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