■夫を亡くし一人で娘を育てる「母」。難しい病を患い、徐々に家族のことすらわからなくなっていく父を、見守り支えようとする「娘」。妻子ある男の「恋人」。それぞれの役割を、葛藤しながら傷つきながら生きる主人公の姿が、淡々と描かれてていた。悲劇的でもドラマチックでもなく、淡々と。
■そうなんだよなあ、私たちの現実ってそうなんだよ。色々あっても日々は淡々とながれて行くし、誰しもいくつかの役割や顔があって、あるからこそどこかで傷ついたとしてもまた別のどこかで救われたりして、そうやって生きている。
■原題は ”Un Beau Matin” で「ある晴れた朝」。邦題の「それでも私は生きていく」からは全然違う印象を受けるし、観終わってしっくりくるのは圧倒的に原題のほう……(そりゃそうか)