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お熱いのがお好きのKUBOのレビュー・感想・評価

お熱いのがお好き(1959年製作の映画)
4.2
東京国際映画祭の特別企画「トリビュート・トゥ・コメディ」で「お熱いのがお好き」を何十年ぶりかで見た。4Kにリストアーした美麗なバージョンだ。

若い頃に見たときは、おもしろいコメディとしか認識していなかったのだが、年をとってから見たら今更ながらマリリン・モンローの魅力に虜になった。

「I wanna be loved by you〜♪ 」とお馴染みのメロディを歌いながら出てきた時のモンローの衣装は反則だろう。乳首以外ほぼ乳房はシースルー。近頃の寄せて上げるような無粋なブラは付いておらず、ハリの良いバストが自重に耐えきれずに若干垂れるその妖艶なボディラインは、昨今流行りの痩せすぎボディにデカすぎる胸といった不自然な体型よりも余程エロティックだ。

エロじじいの戯言のようなレヴューになっているが、それほどこのロマンティックコメディの中のマリリン・モンローの存在感は圧倒的なのだ。

もちろんジャック・レモンやトニー・カーティスのしゃべりも、121分というコメディにしては長い尺を全く飽きさせずに突っ走る名匠ビリー・ワイルダーの演出も素晴らしいが、この映画はやはりマリリン・モンローの映画である。

上映前に行われたゲストの本木克英監督(「超高速!参勤交代」)のトークで、本木監督が若かりし頃、まだ助監督時代に、アメリカで偶然にもビリー・ワイルダーに出会った時に撮ったツーショット写真を見せてくれたり、映画人として悩んでいた本木監督に「君は自分の仕事が楽しいかい?」と声をかけてくれたエピソードなど、貴重な話が聞けたのも楽しかった。

永遠の名作を、美しいマリリン・モンローを、六本木ヒルズ最大のスクリーン7で、最高の画質で見れたのは本当にラッキーだった。
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