ゴジラの容姿は過去作品へのリスペクトを感じつつきちんと進化もさせ、口からの光線吐き出す時の形相もいいですね。
そして何よりも絶望を感じさせてくれる凄まじい破壊力。海上でのバトルシーンでゴジラが起こす波のリアリティ。この辺の映像や音声技術も過去作品をリスペクトしつつ進化する巧みの力は素晴らしかったです。アメリカの映画関係者が驚くぐらいの低コストで高品質な映像を作り上げたのだそう。アカデミー視覚効果賞を獲得するわけだ。
作品冒頭に、小ぶりのゴジラが大戸島で現れたシーンは『ジュラシック・パーク』('93)を、50m級ゴジラとの最初のバトルは『ジョーズ』('75)を思い起こさせてくれ、エンタメ映画らしい楽しさを感じさせてくれます。
ただ、涙腺を刺激しようとする力技演出は、邦画らしくて相変わらずだなーって思ってしまう…。ここぞというところで感情剥き出して大声出しちゃう演技にスッと気持ち冷めてしまうのです。興行的に中高年もターゲットにするとこういった演出が必要になるのかな?