くう

水は海に向かって流れるのくうのレビュー・感想・評価

水は海に向かって流れる(2023年製作の映画)
3.8
テレ東の深夜枠で見るホンワカリアル系人間ドラマみたいだなぁ、と思いながら見ていて、「あ、テレ東試写会だった」と思い出すとか……。

個人的には不倫はアカの他人がガーガー言うものではないと思っている。芸能人の不倫騒動でいつもテレビの中の人たちは深刻に怒っているけれど、怒っても良いのは当事者だけでしょ。それと不倫されたタレントのファン。

しかし、当事者はむしろ怒れなくなってしまうものなのかも知れないな、と、この作品を見て思った。

「当事者」が子どもである場合は、特に……。


怒ることを捨てた子どもと、怒ることが下手な子ども。

成長しきれない拗ねた大人をすずちゃんが好演。大西利空の真っ直ぐさも良かった。


ご飯を食べれずに観に行ったのだけれど、ものすっごいメシテロ映画なので、きちんと食べてから行きましょう。

テーマはキツいけれど環境と人間は温かく、くすっと笑えるシーンが連発。良い映画。

他のユーザーの感想・評価

tomoboop

tomoboopの感想・評価

3.5
原作漫画よりずっと美化されてますが、主人公が憧れる年上女性の役が広瀬すず。もう表情も子供の顔ではありません。大人の女性としての魅力が溢れていて、とても好感が持てました。主人公の大西利空くんの自然な演技も良かったです。プロフを見ると生後5か月から俳優業をしているとか。。凄いキャリアですね!
【海街letter】

すずちゃん、いいえ、すずさんですね。
すっかり綺麗なお姉さんになって。
「海街diary」の頃から成長を見守っている、親戚のおじさん目線になってしまいます。
目の演技、料理する姿がとても魅力的です。
腕相撲やってみたいし、
変な拳法のキックかまされたいし、
お盆は...ぶっつけられたくないです。

同名マンガの主人公女性と、ちょうど同じくらいの年齢ですね。
そういう意味では、現在の広瀬すずの魅力を映像に記録できた、貴重な映画だと思います。
これからも、おじさんは骨盤の歪みを矯正しつつ、すずさんの作品を観るために、スクリーンの前に座り続けます。
素敵な女優さんであり続けて下さい。
a

aの感想・評価

5.0

このレビューはネタバレを含みます

原作を読まずに鑑賞しました🩵
結論から言うとめちゃくちゃ良かったです!!!観る人の心までじんわりとほぐしてくれる作品でした。人間の複雑な感情が、人間の汚さ理不尽さ優しさ温かさなどが繊細に描かれていました。観終わった後は心地良くて温かい気持ちになれました☺️

普段はクールで表情をあまり出さない榊さんだからこそ、ムーちゃんに優しい顔で話しかけたり不意打ちの笑顔や酔った時の人前でのフィルターがほぐれた瞬間がたまらなく可愛いです……直達くんと2人で居酒屋行った時に榊さんが「腕相撲に勝ったら飲んで良いよ😏」と言って勝負するシーンも普段とのギャップに心を鷲掴みにされました…好きになっちゃう…
あとなによりも!!制服!!まさかの高校生の時の回想シーンですずちゃん本人が制服着て登場しててびっくりしたし嬉しくて!!!可愛すぎました、まだまだいけます🥺一瞬なので次観る時は覚悟してしっかり観たいです(笑)
あとはやっぱり最後のシーン。「印象に残ったのはラストシーンで、脚本を読んだ段階ではわからなかった、音楽も合わさって生まれる映像ならではのエモさ、コレ、漫画じゃ出来ねんだよなあーと思いました。(田島さん)」本当にコレです。音楽も映像もここがいっちばん良い。美しくて儚くてスクリーンに吸い込まれました……

見どころの一つでもある、榊さんの気まぐれご飯も想像以上に美味しそうで、お腹空きます(笑)

あと直達くんと楓ちゃんの純度120%な感じ、めちゃくちゃ良かったです……ピュア〜〜!!楓ちゃんのもどかしい恋心がよく伝わってきて、応援したくなりました🥲🥲受け身でいるわけではなく自分から行動して頑張っている姿にときめきました🥺🩷

人に期待しすぎないように、荒波を立てないように生きてきて、そうならざるを得なかった榊さんのように、人それぞれ諦めてきたことや我慢してきたことがあると思います。諦めたくても諦めきれない、でも今更どうしようもないし、どうにかしようと手を取ってくれる人もいない。そうやって我慢するしかなくて、静かに内側で沸々としているのが榊さんの言動から伝わってきました。
だからこそ直達くんに出会って真っ直ぐぶつかってきてくれて、なかったことにしないでくれて本当に良かったなと感じました。それと同時に、その出会いと想いを受け入れて変わっていける榊さんで良かったなとも。長いこと保ってきたものの変化を恐れて拒む人もいると思うので。

観るまではタイトルが何を表しているのか、いまいち分かりませんでしたが、観たらものすごく腑に落ちるというか、めちゃくちゃぴったりなタイトルだと思えました。長い間止まっていた流れ(止めるしかなかったもの)が直達くんに出会うことで少しずつほぐされて解放されて、自由になった水がどんどん海に向かって流れていくような作品でした。

まさに、「固く結ばれた糸がほぐれていくように変化していく/作品の中での感情が波のように流れていったり、静かになったりする感覚(すずちゃん)」
「感情のヒダを繊細かつ大胆に出し切ってくれた/堰き止められていた川の流れが少しづつ解き放たれて、水が海に向かって流れていくように、彼女の封印していた心が、寄り添ってくれる他者との交流の中で解放されていく(監督)」
このコメントが作品のことをよく表しているな〜と思います。

直達くんの父親と榊さんの母親のシーンはずっとムカムカしてしまいました(演技が上手いが故に笑)私も一緒に怒りたい!!って。
シェアハウスのみんなで成瀬教授のおかえり会(?)をお庭でするシーンが好きでした。でも意外とみんなが集まるシーンは少なかったので、シェアハウス感は薄かったな〜って感じがしました(笑)

結論、すごく好きな作品でした!!!周りにもオススメしてるし、私自身もまた観に行きます!!
広瀬すずの魅力がいっぱいな映画です。
海にたたずむ広瀬すずが印象的でした。
スピッツの主題歌もよかったです。
脇を支える俳優たちも最高でした。
公開が楽しみです。
田島列島さんの同名コミックを広瀬すずさん主演で前田哲監督が実写映画化した本作は、曲者揃いの住人が共同生活を送るシェアハウスを舞台に、わだかまりで堰き止められていたヒロインの心が、彼女に寄り添う者との触れあいで解き放たれる様がエモーショナルに描かれる。
高校に入学した直達は、通学の為に叔父・茂道の家に居候することにする。
しかし最寄り駅に迎えに来たのは、無愛想な見知らぬ女性・榊さんだった。
しかも案内されたのはシェアハウスで、会社員の榊さん、親に内緒で会社を辞めマンガ家になっていた叔父の茂道、女装の占い師・颯、海外を放浪する大学教授・成瀬ら、曲者揃いの住人たちばかりで、直達はそんな彼らとの共同生活を始める。
いつも不機嫌そうだが気まぐれに美味しいご飯を振る舞ってくれる榊さんに、直達は淡い思いを抱くようになったが、彼と榊さんの間には思わぬ過去の因縁があった。
子供は両親夫々に母性や父性を求めるが、成人する従って、一人の女性、一人の男性として捉えられるようになる。
それでも本作の主人公たちのように十代で、それを目の当たりにしたら心が千々に乱れてしまう。
そんな十代からのトラウマから榊さんが解放されるまでを、笑いを交えて描いていく。
KUBO

KUBOの感想・評価

3.8
5月9本目の試写会は『水は海に向かって流れる』。

かわいかった〜! もう、かわいくて×かわいくて、慈愛の眼差しで見ちゃいました。

広瀬すずの使い道

私の中では『ちはやふる』の瞳を輝かせた少女像が焼き付いていて、『流浪の月』での演技もよかったけど、今の広瀬すずは大人の女優として、どう歩み出そうかともがいている時期に見える。

本作でも「私、一生、恋愛しないから」なんて言う笑わない訳ありの女性を演じている。

そういう意味では高良健吾もそう。もう若くない年齢に達して、役者としてどの方向性に行こうとしているのか? 本作でのニゲミチおじさんの役も普通だったら高良健吾にキャスティングが来なさそうな変わった役。高良健吾的には挑戦だったんじゃないかなぁ?

そして、何より素晴らしいのが、直達役の大西利空くん。こんなに透明感のある役者はそういない。子役じゃないけど、まだ大人じゃない。どこまで演技で、どこから感極まっちゃってるのかもわからない。

そりゃあ、シェアハウスの同居人に広瀬すずがいたら憧れちゃうよ。その人が少なからず自分の家族に運命を狂わされた、なーんてことがあれば、もう堕ちていくしかない。

青春期に誰もが持つ歳上の人への憧れ。その切なさ、やるせなさ。そして青年にしかできない真っ直ぐな恋。

16歳の少女まま止まっていた榊さん(広瀬すず)が、少年の思いに突き動かされ、閉ざしていた感情の蓋を開ける。

最初のうちはこの「笑わない」広瀬すずに疑問を持っていたのだが、最後のセリフまで含めて、やはり役者としての成長を感じざるを得ない。

そう、この映画は、榊さん(広瀬すず)目線と、直達(大西利空)目線の両方から見れるし、そのクロスに胸が熱くなる。

最後になるけど、前田哲という監督はすごい。『こんなバナナ〜』『老後の資金〜』『そして、バトンは〜』『ロストケア』そして本作『水は海に向かって流れる』と、毎回違うジャンルでその全てが素晴らしい。次作の『大名倒産』も普通なら見ないジャンルなんだけど、前田哲というだけで見たくなる。そんな監督さんになった。

大西利空くんには新人賞あげたいな。絶対日本映画界のニュースター誕生だよ。これを見逃しちゃいけない。

エンドロールにかかるスピッツの「ときめきpart1」最高です!

『水は海に向かって流れる』、広瀬すず×大西利空×前田哲の傑作。オススメです!
はる

はるの感想・評価

3.2

このレビューはネタバレを含みます

この手の映画はシンプルなハッピーエンドだろうと思ってたけど、想像以上にドロドロしてた
展開自体は重たいんだけど、クスッと笑えるポイントや青を基調とした爽やかな色合いで緩和されてた
("クスッ"のはずが大阪のおばちゃん達の手によって"ゲラゲラ"になってたのもかなり新鮮な光景で印象深い)

・なんでもアリーナはE・F列あたりがスクリーンの高さ的にはちょうど良い
HAL2000

HAL2000の感想・評価

3.8
全く期待してなかったからか、とても面白かった。私もエキストラ協力して参加もしました。完全に大量のエキストラを無駄遣いしてます。でも、それが私には、作品を楽しめた理由かも。
捨て猫でまず心を鷲掴みされ、あの超高級牛肉使った暴力的な牛めし、ポテサラ、ゆで玉子!ユニークな台詞がとても心地よい。もちろん、全然大人に見えない広瀬さんだけど、さかきちせには、ピッタリなのかも(原作は未見)。あの口紅は狙いだよね。まぁとにかく芸達者な役者さんばかりで安心して観ていられた。
オリジナルコミック読んでみようかな。
試写会にて鑑賞。

田島列島さんの同名コミックを実写映画化。

シェアハウスに暮らす癖の強い面々、
何もなかったように暮らしたい、暮らしてきたその時までは…

なにこの映画
ほろ苦い
甘酸っぱい
くすぐったい
ヒリヒリ痛い
そこで泣かしにくるって…

広瀬すずさんの美しさに
纏うような感情の波。
いろんな“ときめき”が溢れて
ヒリヒリしてあったかくなって。
スピッツの書き下ろし曲が優しく響きます。

ウーマントーキングが今年暫定一位だったけれど、頭3つ分抜き出てます。
試写会にて鑑賞。

子どもはわかってあげない映画。
子どもが親の全てを理解してあげる必要はない。
原作者が同じだからなのか、『子どもはわかってあげない』の展開となんだか似ている。
あとなんだか演出が古臭い部分も。
なぜ若者は全力で走り、都合よく雨が降るのか…多分良いシーンなんだけど、入り込めなかった😂
青春ものはなんでこんなに走らせるんだろうね。

ストーリーと演出が?なだけで、キャストの皆さんの演技は素晴らしい。
こんな同居人が集まるシェアハウスなら住んでみたい。
戸塚純貴さんは今まであまり認知してなかったけど良い俳優さんで覚えた。もっと観たかった。
高良健吾さんは言わずもがな。
広瀬すずさんは売込み通り素晴らしい。
大人クールで、でもたまに笑顔が見えるような、こういう役柄も良いね。
シェアハウスの住人たちが魅力的だったので、もっと見せ場が欲しい。もっと演技を観ていたかった。

そして何よりも飯テロ映画だった。
食事シーンがとにかく多い。

あちらこちらからお腹の鳴る音が聞こえてきてたので、必ずご飯を食べてから行って欲しい。

卵映画でもある。

あとネコチャン🐈映画でもある。
🥚🥚🐈🐈
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見終わってすぐには感想が書けなかった。思い出すと何度も泣きそうになる。言葉を失う。
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