くぅー

怪物のくぅーのレビュー・感想・評価

怪物(2023年製作の映画)
4.2
【my映画館2023 #25 】

“しょうもない、しょうもない。”

»郊外の街を舞台に、愛する息子の学校でのいじめを疑ったシングルマザーから始まる、学校教師らにクラスメートの子供たちを絡めて描く人間模様のドラマ。

で、久しぶりに羅生門スタイルにどっぷり浸ったかなと…是枝裕和監督と脚本の坂元裕二が織りなす、多様性を隠し味にした人間の本質をえぐる三層のほろ苦いスイーツを食べた様な余韻。

うん、人間って怪物になりうる要素は持ってることで…それぞれに何かを守ろうとして、つい冷静さを失ったり、嘘をついたりと。

そう、“怪物誰だ?”と誰という人を指す言葉が使われてる自体が問題で…でも、昨今の争いや犯罪のニュースを見てると仕方ないのか。

って、そもそも自分は怪物という存在は実際は見たことがないんですが、見えない怖さであり…併せて、冷静に見えなくなる怖さも見せた本作は見事です。

にしても、あのラストをどう捉えるべきか…いずれにせよ、坂本龍一の音楽に浄化されるかのようにエンドロールを見つめてました。

なお、俳優陣では、黒川想矢と柊木陽太…この子役2人のナチュラルな熱演が肝でしたね。
安藤サクラに永山瑛太…きっちりいい仕事してます。
さらには、田中裕子の流石の存在感に…短いながらも
高畑充希に中村獅童らの芸達者なサポートも良き。
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