たむ

怪物のたむのレビュー・感想・評価

怪物(2023年製作の映画)
3.6
今年もカンヌ国際映画祭で話題となり脚本賞を受賞した是枝裕和監督の新作です。
個人的には是枝監督の作品は、凄いハマるものと、どうしようもなく無理と思ってしまう好みとしては両極端に振ります。
本作はデビュー作以来となる別の脚本家、坂元裕二さんの脚本で演出家に徹します。
かつて溝口健二監督は、脚本家と監督は分けるべきで、どちらも同じ方がやると、甘くなる、というような言葉を残しています。
100%映画監督の是枝裕和監督は、恐ろしい監督です。
過去最高作に入る作品です。
ネタバレ厳禁な作品ですが、報道されているように『羅生門』形式の構成です。
正直、最初の話はまたこういう物語の、テーマの映画なのか、しんどいと思いました。
ところが、その後の盛り返し方が尋常ではないです。
一体どうやって撮影したのか、と思った映画史上に残る名シーンもあります。
全体で考えると、最初の方のステレオタイプな物語が後半の鍵になってくる、見事な構成ですね。
たむ

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