ピートロ

怪物のピートロのレビュー・感想・評価

怪物(2023年製作の映画)
4.2
母親、先生、子というそれぞれの視点移動は『藪の中』だけど、本作はそれに『カメ止め』を彷彿とさせるような怒涛の伏線回収ラッシュが出色。
脚本がテクニカル過ぎてテーマが入って来にくいとか、演出が過剰になっている点は否定できないけど、「ミステリ」として面白かった。
なので事前知識はないほうがより楽しめるし、むずかしいけれど何の賞を受賞したのかも知らない状態でのぞむのがベスト。

他のユーザーの感想・評価

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「怪物」はとんでもない映画だった。

訳の分からないことを毛嫌いしてフタをする。分からないことや理解できないことってどうしても不安に思ったり怖かったりするけど、そうする事によって怪物を生み出し生み出されていることを理解しなければいけない。

訳の分からないものは悪
理解できないものは駄目
大人には分かることが出来ない子どもの複雑な内面を見事に描いていて、是枝監督と坂元裕二さんはやっぱりすごいと思った。

視点を変えれば事実が変わり、感情が変われば真実が変わる。
そんな風に感じながら余韻に浸っている。

僕の大好きな「桐島、部活やめるってよ。」や「何者」に似た、作品と現実の境界線がなくなって融け合う感覚に陥った。
数年後に自分がどう感じるのか気になる。
必ずまた観る。


※ざっと書いてみた。
Kazuhouki

Kazuhoukiの感想・評価

3.9

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カンヌ脚本賞。
納得です。

序盤からスクリーンに引き込まれたし、ストーリー展開が面白かった。
ラストはどうだろうか?
今回も是枝節ですな。
「万引家族」はわかりやすかったのに…
asuka

asukaの感想・評価

4.9
色々それらしい感想を下書きとして書いたけど、パンフレットを読んだら角田光代さんのコラムがベストな伝え方で語ってくれてたので、皆んな買った方がいい
マナミ

マナミの感想・評価

4.5

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母親の視点
何かを隠してる。
でも、私が信じてあげなきゃどうする。
息子を守るのは自分だ。
母親としてと言う覚悟と闘う姿が凄く伝わる。

担任の先生視点
良い先生でいよう。
寄り添ってあげよう。
なぜこの結果になったのか。
うえに従うだけでいいのか。
生徒と向き合うって何か。

少年視点
ただ、好きな人が苦しい思いをするのは辛い。助けてあげたい。そばにいたい。もっと笑っていたい。

それぞれの視点の葛藤と想いが交錯する。
彼らの将来は思い描くようになれるのだろうか。

現代に多い、わかりやすいセリフ、表情とか説明とかなくてほんとに素敵な映画でした。
しょ

しょの感想・評価

4.2

このレビューはネタバレを含みます

良かった。
そうだよな、人間ってそんなもんだよね、みんな何か抱えて生きているよねっていう救いは感じた。
放火魔に余白を持たせたのは良かった。あと校長が最後トランペット持っている時、人間の顔をしていた。
ただ、個人的に同性愛にお腹いっぱいというか、あぁそういう着地点かという、俯瞰があった。
飛び降りようとした時、言葉なき音に反応したのが良かった。
h

hの感想・評価

4.0

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表面の事実から真実を推し量れず、真相は認知の制約を受けつつパッケージ化して理解する、コンポーネントとしては優秀な人間が実装された世の中は今日も回る。
8726

8726の感想・評価

4.0
国際的に評価される理由がわかる。大衆向けだと特に説明過多なことが多い邦画の中で、これだけの余韻後味に浸れたのは久しぶりかも、、! 



ただその余韻後味は決して気持ちいい物ではなく、とっても悲しい気持ちになった。今回登場するどの立場にも属さない自分がこんなにもしんどい気持ちになって、もし誰かの立場に近い人が見たらと考えるとよりしんどいかもなぁ。。。
怪物-それは誰の心にもある"穿った"物の見方かなぁと私は思った🧌

脚本、構成、音楽、ロケーション、そしてキャスト、、!間違いなく今の邦画の結晶ですな🙌 どこが抜けてもこんな心抉る作品にはならなかったと思う🙆
田中裕子さんがすげぇよ🧑‍🏫
momo

momoの感想・評価

4.3
テーマやメッセージをど真ん中に置かず、最後に伏線が繋がって、後からじんわりと考えさせられるところが坂元裕二さんらしい秀逸な脚本。

よくある構成なのに、セリフや描写が緻密で繊細でまた見たいと思わされる。
もすり

もすりの感想・評価

4.0
無自覚な刃ってあるよね。映画でいう保利先生あなただよ。お母さんあなただよ。
そうやってうまく言えず答えられずに傷ついてきた思春期があったとして、それを乗り越えるのは自分でしかないわけ。だから自分の頭脳を信じてほしいし、自分を捨てないでほしい。繊細な自分を誇りに思っているし、自分に無いものをもつスペシャルな人を好きになることをみんなにも愛おしく思ってほしい。自己肯定感のなんと大事なことか!
Timmy

Timmyの感想・評価

4.7
・是枝作品の味噛み締めたぁぁ!顔面からくらった。
・子役2人のお芝居が怪物級に凄い。
・田中さんも本当に怪物何じゃないかなの不気味さ。
・こんな学校は嫌だ
・本当の所って本人達にしかわからんのよなぁ。この感情は「護られなかった者たちへ」でも感じた。
・こうゆう映画は「羅生門形式」ってゆうのを覚えた。
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パッチワークのような自由闊達な構成は面白いが、ひとつひとつのシーンが冗長なのがちょっとつらかった。
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