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荒野に生きるのHKのレビュー・感想・評価

荒野に生きる(1971年製作の映画)
4.0
『レヴェナント』はスクリーンから手が伸びて頭を鷲掴みされてるような感覚になる破格の映画で凄かったが、どちらかと言えばこっちの方が好きかな、と思う自分は古いタイプの映画ファンなのだろう。同じくヒュー・グラスの伝説を映像化しているのだけど、復讐の旅に出るのはあのリチャード・ハリスで、ディカプリオの眉間の皺も相当なものだが、ハリスはあの顔をさらにしかめて敵を追うのだ。しかもその相手はジョン・ヒューストン(『レヴェナント』ではいい人だった隊長が、この映画では主人公を捨てる)ということで70年代映画のファンにはたまらないものがあるのだが、元ネタが伝説だけに曖昧な部分もあり、両作の設定の違いが面白い。ディカプリオは息子を護って旅しているが、このハリスは息子が鬱陶しくて捨てた過去があるのだ。ヒューストンはハリスの父親代わりだったという背景もあり、本作はそして父になる、物語と言える。あるいは古いので、熊に襲われるシーンとかはショボイものを連想されるかも知れないが、ちゃんと本物を使っててかなりの迫力。貪り食う肉だって血が滴ってるし、ザリガニだって鷲掴んで食ってる(ように見える)。前のが面白いよ、とか言うと、オッサンが観てないと思って言ってるだけでしょ的に思われるかも知れないが、この映画はとくにTV放送時に熱狂した10コくらい上の人が結構いて内容同様、伝説だったのだ。それを、やはりそのくらいの歳の映画のパイセンに頼んで観せて貰ったのがもう10年以上も前になる。未だDVD化されず。伝説は語り継がれなければならない。そのためにも早期のソフト化を!コメントはこれが初めてだが、登録が多いのはみんなが待望してる証拠だ。
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