Haman

ミート・ザ・フィーブルズ/怒りのヒポポタマスのHamanのレビュー・感想・評価

5.0
下世話なパペット愛憎劇場。
例えるなら、セックスをするセサミストリート、麻薬が蔓延るがんこちゃん、性病にかかったハッチポッチステーション。

不細工だが美声のカバ女が看板女優でそこそこ人気の劇団フィーブルズ。初めてのテレビ放映に向けて切磋琢磨する舞台裏と、そこでの人間たち改め人形たちの闇が引き起こす大珍騒動を描く。

ベトナム戦争、麻薬、性病、昏睡レイプなどのブラックネタ満載で内容的にはまっくろくろすけだが、動物モチーフのキモカワパペット人形たちが織り成すというカラクリで良い塩梅に中和される。
劇団のミュージカルソングもキャッチーで美味。"アナルのしたたり"の件なんかも最高に面白かったし、観客席には『バッド・テイスト』のエイリアンが座っていたりと細かいところまで本当に素晴らしいね、ピーター・ジャクソン。
そして、ブラックコメディ一辺倒で面白おかしく終わるのかと思えば、ラストの「愛の園」を歌うところで不意を突かれてウルっときたり。揺さぶられる。

エンドロールの〆には"この映画の製作にあたり一体の人形も死傷させていません"の字幕。最後まで手が込んでいる映画が大好きです。
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