山田孝之のクズっぷり、堺雅人のキモさ、安藤サクラの泰然…キャラ造形は絶品。各場面の緊張感や臨場感の演出もよく出来ている。特に山田が谷村美月に絡んでいく鬼畜さとか。
が、落とし所のよくわらん映画だ。
決行前日までにパンパンに膨れ上がったテンションの遣り場がない。結局、悪いのは人間ではなく孤独だ、とかいう月並みな思想に落ちているのだとしたら、ちと残念。新井浩文の行動原理も徹頭徹尾よく分からん。綾野剛もいつの間にか消えちゃうしね。
破綻は構わない、それが意図したものであるならば。本作はそのようには思えんのだよな。