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その夜の侍のmのレビュー・感想・評価

その夜の侍(2012年製作の映画)
2.5
@「平凡っていうのはね、全力で築き上げるものだと思うんですよ」


この作品が伝えたかった【平凡】それを見事に当てはめたのがこの作品だと思う。

この作品は、【平凡過ぎる】
作り込み過ぎか、なんなのかは知らないけど、白々しい陳腐な物に仕上がっている。


堺雅人さん、あまり好きじゃなくて彼の作品は避けていたんだけど、山田孝之さんがクズ役ということだけで観る気が出た。
人轢いた後の、「鯖味噌だな」を山田孝之さんが言うだけで、もう最高。

で、ストーリーとしては好み。
伝えたい事とか、それなりに凄く好きだった。

ただ、監督のやりたい事がたくさんありすぎて、とっちらかったイメージがある。
シリアスなのかコミカルなのか、狂気なのか平凡なのか。

木島は最初からとても狂人に見えなかった。
轢いた瞬間に逃げる事だけを考え、人を殴りバレそうになると飽きたと呟く。
小林の告白に、「まぁ、分かってたけどな」と吠える。
典型的な、気の弱さを暴力で隠す人間だ。
それを見事に山田孝之さんが演じてくれた。

それと反対に中村は、コミュ障で不潔で、世の中に絶対はいる人間。
それを堺雅人さんが怪演してくれた。

ただ、その2人は完全に世の中にいる人間だった。
彼らが怖いとも思わないし、感情移入も出来ない。
5年間の空白が描かれなかったのも、要因だと思う。

堺雅人さんと山田孝之さんが役者じゃなかったら、多分観ていない。
あの土砂降りの中での事が無ければ、とくにどうってことない。
結果、この映画はそこだと思う。


平凡な生活は尊い。
けれど、平凡な作品は最悪だ。

色々言ったけど、私はこの作品好きだよ。

安藤サクラさんの三日月最高よ。
寂しさとか、情だとかも描かれていて良き。

ただね、平凡過ぎて記憶に残らなかったのさ。

ストーリー : ★★★☆☆
映像 : ★★★☆☆
設定 : ★★★☆☆
キャスト: ★★★★★
メッセージ性 : ★☆☆☆☆
感情移入・共感 : ☆☆☆☆☆

cc/「お前を殺して、俺は死ぬ。」
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