滝和也

SP 野望篇の滝和也のレビュー・感想・評価

SP 野望篇(2010年製作の映画)
3.8
V6の岡田が
アクション俳優岡田
として覚醒した
記念作。これがなくば
大河で主演、そして
信長役者まで登る
ことはなかっただろう。

圧倒的なBGMにのり…

「SP 野望篇」

今や信長役者にまで上り詰めた岡田准一主演の警視庁警備部、セキリュティ・ポリス、通称SPの活躍を描いたTVドラマの劇場版。TVドラマでは圧倒的なアクション、チームの絆を描いていたが、それは全て前振りであった事が最終話で暗示され、遂に劇場版にて黒幕が動き出す。

故に…その前振りを見ずして評価すべからず。内容が分からないのは当たり前。ここ迄前振りしたドラマも珍しいのだから。故に点数はドラマと総合した点数。

やはり岡田准一演ずる井上、そして上司であり…〇〇な緒方係長、演ずるは堤真一の関係がこの作品の肝。命をとして生命を守ると言う崇高な任務としてSPの道を教えた緒方と教え子である井上。その関係が破壊されて行くストーリー。その緊迫感がたまらない。

そして岡田准一のアクションはアクション俳優が消えてしまった邦画では正に一縷の望み。格闘技をやってる人の動きなんですよね。やっぱり。(一応剣道有段者です。私。またVTも少し。見るのも大好きです)冒頭の犯人追跡の大爆走からの車上走り、壁走り、疾走るトラック荷台での格闘といきなり見どころ。アクションが無くなった邦画なら及第点。ニュータイプ的な能力は…僕は嫌いじゃない(笑)ガンヲタですし、キャラを与えないとストーリーになりませんからね。

後半はチームでの官房長官護衛からの連続襲撃戦。チームワークで戦いながらも傷つき脱落していく仲間たち…。決死の攻防戦が誰もいない(笑)深夜の霞が関で展開。岡田准一の動きのキレはやはり凄いものがあります。

ただ…全て邦画としてのレベルで語っていますし、それが前提。明らかに合成だとわかる技術力の無さが散見されますし、アクションも撮り方が匠のレベルではないので…。ただ生身のアクションをきちんとリアルにやってくれてるだけで点数は上げています。

因みに…緒方チームのメンバーが絶妙なんですよね。紅一点は真木よう子でぶっきらぼうなナイスバディ(笑)それに殴られるコメディリリーフに松尾諭、この二人はここから人気に。また唯一の妻帯者役に神尾佑さん。仮面ライダーオーズ/OOOのラスボスのサイコパスドクターで恐竜さんでお馴染み。凄い落差でわからなかったですからね。演技派です。

堤真一は圧倒的なイケメンだし、キャラクターが毎回違う。この緒方の不気味さも当り役ですわ…ガリレオのあの方…ほどではないですが。更にここに…香川照之が(笑)悪役の奔りでしたね(^^)。因みに綾野剛もまだ端役でわかりやすく登場してますので注目(笑)

このストーリーで完全に〇〇した二人の対決の舞台は…アメリカやブラジルでは実際に暴徒が突っ込んだあの場所へ…革命篇へ続きます。やっぱりテーマ曲は名曲ですね…。
滝和也

滝和也