ゆりな

きみの色のゆりなのレビュー・感想・評価

きみの色(2024年製作の映画)
4.2
「好きと秘密を共有してるんだ」

あの頃、ミスチルの「スーパーマーケット・ファンタジー」をリアタイで聴いて、テレビCMから飛び出るキラキラにワクワクしてた人たちへ。
16年ぶりに「エソラ」の続編が出ました。

聴いた瞬間に、「エソラ」が初めてかかったときみたく、様々な感情や感性がぶわぁ〜〜ってなった主題歌、そして山田尚子らしい映像。予告編の段階で涙目。

ふとした日常の、本当に脈絡もないときに「あれはいい映画だった」と思い出せる作品が本当にいい映画だと思う。

結論から言うと、バンドがメインではなく、3人の若者が夢を見つけて一緒に協力して、また新たな夢を探すのがメイン。
なんかもう優しい気持ちに無条件になれるし、万人におすすめできます。

私個人としては今もバンドを続けているが、若い時に「バンド」らしい楽器に手をつけなかった悔しさからか、バンド作品がなかなか逆に観れない。クラシックピアノの作品は喜んで見るのに。
自分が得られなかった「青春」がそこにあるから、ボザロ系も無理。
でも絶対観たらハマるし「最高」って言う未来の自分が見えている。

そんなバンド作品に抵抗がある私が観に行った決め手は、音楽担当が牛尾憲輔だったこと。
これでtricotや時雨だったら観ていないかも。
え、だって牛尾さんってLAMAじゃん!?「平家物語」も「チェンソーマン」もだし、なんならノイタミナの「NO.6」だよ!と思ったけど、山田尚子監督の過去作もじゃんね。

髙石あかりちゃん、「べびワル」と全然違って、クールな役柄で、声優までできちゃうんだ!そこにも感動。

今、平野紗希子さんのラジオを毎週聴いているので、彼女にこの作品に出てくる料理をレポートして欲しい。
アニメーションならではの美味しそうな描写にうっとり。

お酒が飲めない高校生の深夜のお菓子パーティーは至福だし、私は「お金がないなか出し合って買ったコンビニのブッシュドノエル」が一番美味しいことを知っている。
そして大人になった今では、その経験までは買えないんだよねぇ。

「きみの色」は正確に言うと「きみちゃんの色」。
予告編からもなんとなく分かる通り、男女グループの3人を勝手に三角関係にしないところもよかった。
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