わざと盛り上がらないように作ってるのかなというくらいなだらかだった。山場がほとんどないがそれで退屈するというわけでもない。そしてこれが最後のライブで大盛り上がりするための「溜め」だったというわけでもない。ただごく普通にライブはライブとしてそれ相応の適度な盛り上がりを見せるだけで、この場面がクライマックスに設定されることで、マーケティングの観点から何らかの重大な責任を負わされて盛り上げ役に徹しているわけでもなく、他よりはちょっと賑やかなシーンであるというだけであくまでも控えめな存在感。最大の盛り上がりはエピローグ的なラストシーンだが、ここも主人公が自分の色を見るときの一瞬の光と同じくらいにわずかな時間だけ持続する高揚感が提示されてサッと幕引き。