simpsons

せかいのおきくのsimpsonsのネタバレレビュー・内容・結末

せかいのおきく(2023年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

良かった‥
循環型社会
共生、SDGs

源兵衛は勘定方で藩の不正を告発したがために組織を追われ、それだけじゃなく懲らしめるために執拗に命を狙う組織のプライドとか、本当は正義は源兵衛だと分かっていながらも組織に従わざるを得ないお侍さん3人の気持ちを一礼で表すシーンとか、今も昔も変わらぬ様子を無駄なく描いている。

源兵衛が亡くなってもそこまで悲壮感を出さず、源兵衛にしてあげればよかった、おむすびに沢山の味噌を中次に作ってあげるシーンとかさりげない描写が良い。

「役割」というものがこの映画のテーマだと思う。
当時の循環型社会ってすごいなと思った。何より経済として成り立っているところがすごい。一方方向だと持続可能性は無いから。
人も虫も植物も糞も全てに役割があって無駄なものなんてない。
「地べたの下で死人はまた、虫に食われながら土に還るんだよ」
そしてどんな仕事にも役割があって、彼らがいなくなるとどうなるか、見下すのではなく、感謝すべきだ。
どんなに身分の立派な人もどんなに美しい人も皆んな同じようにものを食べ、排泄して生きている。

声を失ったおきくもそうだ。
彼女には彼女に出来ることがあり、役割がある。障がいを持っても排除するのではなく、周りがそのように役割を与えられる社会が素晴らしいなと思った。気落ちしているおきくを励まそうと皆んな魚を持って行ったり、そういう支え合う社会も循環型社会なんじゃ無いか。完璧な人はいないし、誰だって落ち込むことがある。

誰一人取り残さない(leave no one behind)

「このせかいというのは、あっちの方に向かってゆけば必ず、やがてこっちの方から戻ってくる。」

愛は与えた分だけ返ってくるし、悪いことをした分は自分に返ってくる。世界はまわってる。

共生は人間関係においてもそうだ。
自分は身分が低いからだとか、声を失ったからだとか、そんなものは世間が決めたもので、自分ができない言い訳にすぎない。一歩踏み出す勇気、自分の想いを伝える勇気、自分がどうしたいかだ。この世界の主人公は自分だ。勇気を出せばこの世界は変わる。
やっぱり愛がこの世界を形作ってるんだなと思った。愛があれば見える世界の色が変わる。
「せかいでいちばんおまえがすきだ」
ってセリフに泣けた。
そう思える人がいること、そしてその想いを伝えられることってなんて幸せなことなんだろう。私はこの世界であなたと共に生きて、この世界を形作っている。

こんな不条理で上下関係作って見下して臭いものに蓋をする世の中でも、人と繋がることを恐れずに前を向いて2人で生きていこう、そんな前向きな気持ちにさせてくれる映画だった。

ただ黒木華の恋愛ものはやはり違和感‥
個人的には小僧が1番かわいくてうまかったと思う笑
「それではそらで書いてみましょう」ってセリフのシーン好き笑
simpsons

simpsons