七沖

ゴジラVSメカゴジラの七沖のレビュー・感想・評価

ゴジラVSメカゴジラ(1993年製作の映画)
3.5
世紀末覇王、誕生。
という仰々しいキャッチコピーが銘打たれたゴジラ40周年記念作品。

日劇ラストショウにて、大河原監督、富山プロデューサー、高嶋政宏の舞台挨拶付きで鑑賞。佐野量子の結婚話が多くて笑った。

ベーリング海に浮かぶアドノア島から日本に持ち帰った翼竜の卵からベビーゴジラが生まれ、同族に引き寄せられるようにゴジラが現れる。
国連はゴジラに対抗するべく開発したメカゴジラで迎え撃つが、そこに翼竜ラドンも現れ…というストーリー。

シン・ゴジラのエンドロールのラストを飾った、伊福部昭のどっしりとしたテーマ曲が格好いい!

この作品は怪獣たちの関係性がドラマチックだ。生物学的に同種のゴジラとベビーゴジラ、卵が托卵されたため兄弟にも等しいベビーゴジラとラドン、ベビーゴジラを巡って争うゴジラとラドン…という形で、怪獣たちの三角関係が最大の見どころで、ベビーゴジラが完全にヒロインポジション。ハンバーガーをねだったり物陰に隠れる時だけやけに早足だったりと可愛らしい。

本作最大の目玉のメカゴジラは、兵器と呼ぶには洗練され過ぎたツルッとしたフォルムで若干インパクトが足りない気がする。だが、戦闘機ガルーダと合体してスーパーメカゴジラになったり、ちゃんとメカっぽい鳴き声があったりと、戦闘ロボらしい熱さはしっかり備えている。ガルーダとの合体が成功したとき、指令室で小さくガッツポーズするアシモフ博士かわいい。

ゴジラシリーズの決戦の舞台は当時注目を浴びていた場所が選ばれることが多いが、本作では千葉県幕張が壊滅する。
精緻なミニチュア群が惜しげも無く破壊されていく様子を見れるのは、特撮映画の醍醐味だと思う。本作のセットは巨大ビルが多いせいか、特にそう感じた。
七沖

七沖