春のめざめの作品情報・感想・評価 - 2ページ目

春のめざめ2006年製作の映画)

MY LOVE

製作国:

上映時間:27分

ジャンル:

3.9

「春のめざめ」に投稿された感想・評価

ゐ

ゐの感想・評価

4.0
美しいのただ一言
丁寧に描かれた光と影がアニメーションを通して形が変わる芸術
こんな方法を見つけたのに後に続く人がいないなんて 
昔観た『老人と海』が見たい
そもそもの持っている思春期という奥深さの描写に長けている。様々なモチーフが暗喩として散りばめられている。
そして何よりもこの描き方による繊細な心情がダイレクトに伝わってくる。
短編でここまで描写するのも素晴らしい
新田畳

新田畳の感想・評価

3.8
ユーリ・ノルシュテインのお弟子さんの作品。

美しい作品だし、エロティシズムにも溢れてて素晴らしいです。
大小あれど、誰もが抱える青春の懺悔を喚び起させます。

特典映像での制作風景も面白かったです。
Koichi

Koichiの感想・評価

3.8
初めてみるアニメーションでした。

短いけど、少年の揺れる心情が色々な描き方で表されててよかったです。
青いperi

青いperiの感想・評価

4.0
ガラス絵手法と呼ばれる技法を用いて描かれる淡い色彩の油絵が、二人の女性の間で揺れる思春期の少年の恋心を見事に表現していました。

このレビューはネタバレを含みます

19世紀末ロシア、貴族学校に通う少年アントンは、ツルゲーネフの「初恋」を読み、自分自身の恋を夢見て妄想にふけっていた。彼の家で働く同じ年ごろの少女パーシャはアントンに恋心を抱いており、それに気づいたアントンは彼女との身分差を超えた恋を想像する。そんなとき、隣の家に越してきた年上の美しい令嬢セラフィーマに彼は心を奪われる。


油絵のアニメーションを初めて観たけど本当に美しかった。スズメが水たまりで羽をばたつかせるシーンなんかもリアルでびっくりした。
下世話なレビューしますが、すごい芸術作品です。
ロシアアニメの懐の深さはもう少し掘り下げていきたいな。

以下、下世話レビューなので清純派はスルーしてしください。
私の年齢以外ネタバレはなし。

春のめざめ=エロの目覚め。
清純派16歳の少年のリピドーをよくここまで芸術的映像に高めたなぁと言いたい。
大人のドロドロ不倫との対比のさせ方がまた最高。
主人公と倍の年齢の私からしたら、主人公の右往左往はかわいいもんじゃんかぁ〜ワハハとなる。(年だな)

エロビがネットで無料でガンガンみれるとリピドーがおさまってしまのか?
今の人と比べてキリストの世界で厳格な貞操感に囲まれてる人とでは思春期バブルの弾け方が違いすぎて。笑

あと、私は25歳なのにって展開で…ごめん、私…もっと年齢オーバーしてるわと思って白目むいた。
年下男子にその反応してるって時点でそれはそれで若い…
青二歳

青二歳の感想・評価

4.2
アレクサンドル・ペトロフのガラスペイントアニメーション。ファンタジーや夢の不条理においてイマジネーションを拡げることを得意としたペトロフがまさかの童貞映画を作ってくれました。
二人の女性に恋をする少年を始め人々の複雑な表情も見事ですが、何より性少年の妄想が最高。童貞の妄想なんて悪夢なのだ。

シーンのつなぎが、妄想や夢、モチーフとなっているツルゲーネフ“初恋”、心情表現のイマジネーションなどで展開するというのがすごい。リアルな人間関係よりも、表象でドラマが動いていく。映画としてはこれだけでも面白いのだけど、アニメーションならではのイメージがまた素晴らしい。火牛も香水もよかったが、直球に卑猥なのぞき箱の仕掛も効果的。
もちろんパーシャとの初々しいキスシーン、不思議な色気に満ちたセラフィーマの一瞥など、人物の描写も見事です。光の当たり方、髪の毛の乱れ、黒目の動き、唇の開き、それらも十分美しく見ごたえがあります。ただやはり油彩画ならではの柔らかい輪郭が活かされるのは表象がつなぐ夢や妄想でしょうか。劇中で少年が読むツルゲーネフの“初恋”のイメージと物語が絡むところもいかにもな童貞妄想という感じで素晴らしい。
菩薩

菩薩の感想・評価

4.5
手に届く初恋を選ぶか、手に届かぬ愛情を選ぶか。言うてしまえば青年の童貞喪失記、青春ではなく性春みたいな話だけど、当然それでは終わらない芸術作品。文学的で叙情的、何しろ幻想的で繊細なペトロフの世界。同じ童貞でも日本とロシアじゃこうまで違うのか…。
emily

emilyの感想・評価

4.6
19世紀のロシア、貴族学校に通うアントンはツルゲーネフの「初恋」を読み自分の初恋を妄想する。身分の差を超えた彼に好意を持つパーシャと、となりの年上の令嬢セラフィーマの間で揺れ動く様を繊細な油絵で描く。

少年の揺れ動く心と、油絵の繊細な消え入るような描線が見事にマッチし、切なさの中にある美しさが表面に出浮かび上がる。

画面の切り替えがスムーズで、まるで流れる川のように滑らかで、そこに妄想の世界観がしっかりのっている。

出会いや淡い恋心を自然や動物を使いロマンティックに詩的要素いっぱいに描き、消える際の儚さ、触れる瞬間の手先に感じる気配など、実写でもアニメーションでも出せない、空間にある感覚が揺れる輪郭にしっかり表現されている。

二人の触れただけのキスシーンはもちろんだが、映像の中に絵画が何枚も仕込まれているような、どのカットもうつくしく儚げで、それでいて無限の可能性と残酷を秘めていて、滑らかなのにスピード感もあり、リアルなのに幻想的で、感じたことのない浮遊感と地に着いたリアルの両方を行ったり来たりさせられる。

映像美だけではなくストーリーも普遍的でありながら、しっかり、メッセージ性があり、幻想と現実が見事なバランスで再現されており、しっかりラストには現実に引き戻してくれるところもまたいい。

30分足らずの短い時間、ここまでトリップできる作品もそうそうない。何かに行き詰まった時みると、浮遊感の中でふと我に返り、今の現状をしっかり見つめなおすことができそうだ。