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ミッキー17のマのレビュー・感想・評価

ミッキー17(2024年製作の映画)
2.9
米国選挙(2024年11月)前に公開する前提での風刺が悪い方向に出てて切ない、多分トランプが負けると思ってたんでしょ。今頃ユルいトランプ批判みたいな事やったって意味ないし、やるにしたって戯画化し過ぎ ロバート・パティンソンだってトニ・コレットだってもっと演技上手いだろって思う。
画面に映ってる物とか役者の演技で伝わる部分を全部ナレーションで説明してるのとか、ポン・ジュノって欧米の客を馬鹿だと思ってんじゃね(実際馬鹿だからマイクラの映画がヒットしてんだけど)。しかもナレーション入れてるのにナオミ・アッキーが懇親的な理由、マーク・ラファロに対抗する組織、突然出てきて大活躍する翻訳機、スティーブン・ユァンのキャラクターとかは説明も深堀もされないっていう 全体的に結果に至るまでの助走が足りない。

ミッキーが分裂してからはマジで話の軸(ティモとの関係?ナーシャとの関係?バレるかバレないかのサスペンス?)を何処に置きたいのかよく分かんない 全部の話が急。コメディも オクジャとスノーピアサーの時は臭い部分(ジェイク・ギレンホール/ティルダ・スウィントン)が非西洋の冷めた視線で上手く脱臭されてたんだけど、今回は臭いまんまやって来たみたいな感じでちょっとキツい。

政治的な所だってポン・ジュノならもっとキツい事を言えるはずなのに、如何にもリベラルっぽい綺麗事で止まってる しかも最終的には入植してんじゃん。そういう意味で植民地主義批判もスターシップ・トゥルーパーズのドギつさに負けてるし、ポン・ジュノがポール・ヴァーホーヴェン観てないわけないんだから色々苦しい。もっと哲学的なテーマに振り切ってくれたらまだ観れると思うけど、その場合ポン・ジュノである必要性は無いよね。「車のスイッチを押した罪で死に続けてると思ってるけど、そもそも車自体に欠陥があっただけ」みたいな言い訳は、言い訳でしかないけど全体で考えるとまだ良かった。
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