ロックウェルアイズ

気球クラブ、その後のロックウェルアイズのネタバレレビュー・内容・結末

気球クラブ、その後(2006年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

園子温Movieとのことで鑑賞。
物語は、気球クラブのリーダー村上さんのバイク事故から始まる。
村上さんの事故を、リレーのように電話で伝え繋いでいく。
最初はこの形式で、ダラダラと緊迫感のある(?)映像が続く感じで、正直内容が掴めずモヤモヤ。

ようやく落ち着いたのは、主人公が分かってからでした。
ちょうどそのあたりで、村上さんの死も判明。
桐島的な、みんなのヒーロー喪失物語。
そこからは、主人公の回想シーン(時々現代パート)。

気球好きも、そうでない人も、気球クラブで過ごした青春。
楽しかったあの頃、巨人の目になるはずだった気球BAR。
村上さんの死をきっかけに再び集まり、これを契機に気球クラブを正式解散。
そして、気球に夢を乗せたあの頃を過去に葬り、新たなスタートを切るために、みんなで行う電話番号とメアドの全消去。
とても良いシーンでした。

そして、なんとも言えない雰囲気を漂わせていた、ヒロイン美津子。
口で多くは語らない美津子ですが、気球でプロポーズを受けた時に、地上で指輪を受け取りたいと言ったのは、気球(空)ばかりの村上に、普段(地上)の自分を見てほしいという、美津子なりのメッセージだったんじゃないでしょうか。
村上の部屋のバルーンの手紙に対しても、そういうことなんじゃないかなと思いました。
早く降りてきてほしい。早く自分だけを見にきてほしい。
美津子にとって村上は気球そのものだった。だからこそ。

ピグモンみたいに、風船背中に付けてる長谷川朝晴さんが可愛かったのと、今と全く変わらない江口のりこさんも印象的でした(余談として 現在放送中の『ソロ活女子のススメ』の予告にて、江口のりこさんが渡瀬の気球に乗ってました これ以来でしょうかね)。

未解決な部分、謎な部分も多かったですが、永作さんの最後の涙が全てのような気がします。
たまにはこういう園子温も悪くない。
園子温っぽくはないけれど、園子温らしい?(良い意味で)ダサさも感じれる一本でした。
矛盾だらけの駄文すみませんでした。

以下、個人的に気になった&気に入ったセリフ

私ね、気球にブスって穴開けてやりたくなるの。

明日は燃えるゴミの日だから、“あなたの番です”
(もちろんこっちの方が断然前なので、無関係とは思いますが)。

みんなって言ったって、誰がみんななのかわかんないけどさ。

元々、野ざらしのくそったれの夢だったわけですから。

人の気持ちを宙吊りにするのが得意なようだね。
上の空くん。