デザイナー志望の夢を保留にしたままアイスクリーム店のバイト長として働く菜摘(吉岡里帆)と、その近所で疎遠だった姪との人二人暮らしを始めたばかりの優(松本まりか)。2人の生活を、敢えて交差させずに描く群像劇。
とにかくキャスティングが個性的で、先の2人に加えてモトーラ世理奈、片桐はいり、そしてジャルジャルの後藤淳平、マカロニえんぴつのはっとり、そして水曜日のカンパネラの新旧ボーカリストである詩羽とコムアイというレアな組み合わせ。ちょっと他では味わえないメンバーが揃っている。
デザイナーや小説家等のアーティスト肌の人物がストーリーの中心に登場する事もあって、色彩や画角を強調した作風になっている。一方でストーリーを構成する各シーンの配置や構成については無頓着に思え、序盤やラスト手前辺りの展開は冗長に思える。また、登場人物がほぼ女性だけなのは良いとして、声のトーンが高めで小声の人が多く、耳で捉える感触が単調に思えた。
良くも悪くも、映画としての常識にとらわれない作品ではあると思うので、新鮮に感じる人も多いはず。