イベリー子豚

ウィ、シェフ!のイベリー子豚のレビュー・感想・評価

ウィ、シェフ!(2022年製作の映画)
4.6
「現実の厳しさは『最強のふたり』」
「悪ノリが始まれば『シティ・ハンター』」
「大逆転のクライマックスは『オーケストラ!』以上」
「もしかしたら」
「人生で一番好きなフランス映画になったかも」
「実は【是枝】メソッド演出法」
「困ったときはバルサミコで逃げる上司とは
やっていけない気持ち……分かります」
「《これはジュリア・ロバーツへの道よ》」
「《見本を見せてくれませんか?》」
「《アイツの店はダルい》」
「《さっきからあの映像がずっと流れてるんだ!
頭がおかしくなりそうだ!!》」
「《いい?返事は……??》」
「デザートはないけど
爽快感と元気が貰える初夏にピッタリな
シーサイド・ムービー(舞台はダンケルク)でした!」




努力、未来、a beautiful star。

厨房にあるのは
パワハラと長時間拘束・労働だけじゃない。


これぞ「食育」。そして「職育」。


迷える若者に必要なのは
「こども扱い」でも「無関心」でもない。

・一流の技に触れる機会を与える
・責任ある仕事を信用して任せる
・もしものときは全力フォロー


これなんですよ。


そして
どれだけ実力と才能があっても
1人じゃ叶えられない・見続けられない夢がある。


誰かを頼る。相談する。

自尊心沼にズブズブの仕事人間にとっては
簡単に見えて一番高いハードルですよね。



そして
「仕事」「料理人」「未成年移民」じゃ
どんだけハードでロキタな展開がトリしてるのかと
暗くなりそうなところなのに……。


マジかよ!
そんなジャイアン・キリングで客席を沸かせて
くれるのかよ!!
翻訳家の人、ノリノリじゃねぇか!!笑


マスク越しとはいえ
盛大に吹き出しちゃいましたよ。

まさかアレの伏線を回収するとはね。

もっとも
あまりのパワープレーすぎて
繊細な物語がお好きな方のお口には
合わないかもしれませんけども。


「誰1人取り残さない」なんて
綺麗すぎる大団円を迎えないのも
おフランスらしいと言えば、そうですな。


あと
エンディング直前の
唐突なハッピーエンドも
料理番組ならではの
粋な「差し替え」だったのかな。



最後に
【ギィ・サボォワ】で働くことの凄さを知るためにも
ミシュランはこの映画を公式で推すべきです。

スポンサーは難しくても
アンバサダーぐらいはやってちょうよ。