福福吉吉

丘の上の本屋さんの福福吉吉のレビュー・感想・評価

丘の上の本屋さん(2021年製作の映画)
5.0
◆あらすじ◆
丘の上にある小さな古書店の主のリベロは顔なじみの人々との交流を深めながら穏やかな毎日を過ごしていた。ある日、移民の少年エシエンが店の外から本を眺めていることに気づき、リベロはエシエンに声をかける。リベロはエシエンに店の本を貸し与えながら、読書の素晴らしさを語っていき、エシエンも頻繁にリベロに会いに来るようになった。

◆感想◆
古書店の老店主と移民の少年が本を通じて交流していく姿を描いた作品であり、作品全体を包む穏やかで優しい雰囲気が心地よく、時間を感じることなく最後まで観ることができました。

本作は丘の上の小さな古書店で店主のリベロ(レモ・ジローネ)と移民の少年エシエン(ディディー・ローレンツ・チュンプ)の交流をストーリーの軸としながら、その合間に顔なじみのお客との明るく楽し気な会話を挟んでいて、それが緩急とまではいかないまでもストーリーに変化をもたらしていて、リベロの古書に対するこだわりや人との接し方の奥ゆかしさを感じることができて面白かったです。

リベロとエシエンの交流はとても温かくて、それでいてリベロが商売でなく読書家として新しい読書家を育てているような感じがずっとあり、それでいてリベロの将来を慮っていてなんとも優しい空気が漂っていました。エシエンもリベロに対して心を開いていて年齢の差など関係ない友情を感じていたと思います。

最初から最後まで心を洗われるような心地よさがあって、終わってしまって残念に思うぐらい本作にずっと浸かっていたい気持ちにさせる作品でした。とても素晴らしい作品だと思います。

鑑賞日:2025年3月26日
鑑賞方法:Amazon Prime Video
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