この作品の最大の魅力は、ぬるま湯の心地良さ。わちゃわちゃした二人のやり取り。まるで実在しているかのような空気感の会話の楽しさ。2作目にして、そこを築き上げてしまった阪元監督らはすごいと思う。
今回は、コメディとシリアスとでいうとかなり前者寄り。ほとんどのシーン、登場人物の一挙手一投足で鑑賞者を笑わせにかかってくる。同じ空間でメインで進行していることとは別に、ツッコミ待ちしているかのように、なにかが動いていたり起こっていたりする。
サービス精神溢れる、みたいにも言えるんだけど、個人的にはちょっとやり過ぎな印象。
卑近なネタの数々はすごく、日本のお笑いって感じ。あるあるネタの数々だったり、「ビジュ爆発」のこすり方だったり、プリンのくだりだったり。
センスの違いなんだけど、笑いにしてももうちょっと慎ましさが欲しい。。
ふたりのキャラクター造形も気になってくる。可愛くて、内向的メンタリティで、大食いで、強くて、、おまけに恋愛拒絶宣言まで。。
なんか、多くのオタクにとって居心地が良い存在として設計されているようで、ちょっと引いちゃった。百合的な展開も含めて。
「時分って何だよ」は笑えた。
老人のシーンも笑えたけど、まぁあれは反則というか、あの人の身体性あってのものだしねぇ。。
物語でいうと、男兄弟のパートは良かったと思うけど、冒頭のアバンタイトル部分、お守りをさりげなく触るところとか、あのへんが活かされてこないのは勿体無いかな。。
