風来坊

極限境界線 救出までの18日間の風来坊のレビュー・感想・評価

2.5
2007年に起きた「タリバン韓国人人質事件」を基にした作品。
この事件は内外でかなり話題になりましたし、日本でも自称ジャーナリストなどが人質になった事件もあったので観る前から事件の概要は調べて知っていたので、「これを映画にしたのかぁ」とちょっと複雑な心境でした…。しかも人気者のファン・ジョンミンさんとヒョン・ビンさんで…。

解放交渉など事件解決にあたった方々の尽力には感服しますが、なんかこの話を美談のようにするのは違うような気がしてお話にどうしても乗れませんでした…。
韓国政府が安全上の問題があるとして渡航延期を要請していたのに関わらず無視…。しかも現地の状況も把握せずに神の試練かなんか知らんが渡航した韓国のキリスト教団体が人質になった経緯があるのでいわゆる自己責任論がついて回る…。

韓国のキリスト教団体は布教活動に熱心過ぎて、現地の文化や慣習を無視した軽率な行動で度々トラブルになっているという問題もあって…。
信じる事は素晴らしい事はだと思いますが、無神な私にはどうにも理解不能で感情を揺さぶられず終始に醒めた目で観てしまいました…。
解決に至った交渉の内容は映画の中でも曖昧なまま…身代金に2千万ドル以上を払ったとも言われているので迷惑な話でしかない…。

ファン・ジョンミンさんの神経をすり減らしたて胃が痛そうな演技は素晴らしい。
この人は相変わらず苦虫を噛み潰したようような表情が秀逸。
どこまでが史実でどこからがフィクションなのかそこまでは分からないけれど、どうしても無理矢理に物語にしたようなのを頭から払拭出来ず…。

まあ観る側の問題なので前知識なしで観たり、物語にマイナス要素を感じなければ見応えのある人質奪還作戦物だとは思います。
個人的にはW主演の2人の演技合戦を観るために最後まで頑張って観ました…。
韓国の関係各所の尽力には敬意を評したいですが、やっぱり美談じゃないよなぁ…が付き纏った作品でした。
風来坊

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