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岸辺露伴 ルーヴルへ行くのshunのレビュー・感想・評価

岸辺露伴 ルーヴルへ行く(2023年製作の映画)
3.5
岸辺露伴 ルーヴルへ行く

とにかくテーマである黒を、恐ろしく邪悪に見せたいという製作陣の絵造りと演出は素晴らしかった。この要素を楽しむなら劇場で観るべきだし、ドルビーシネマがあれば良さがもっと出ていたと思う。
今回の映画化が成立した1番の立役者は泉くんこと泉京香だと思う。彼女がいなかったらオチがない、言語化しにくい畏怖とか恐怖だけになってしまってエンタメにならなかった。
純日本屋敷で和を押し出した過去とフランスとルーヴルで洋を見せる現在がいい対比になっていた。

残念な点としては、ドラマ版動かないが成功した要因、良さが薄まっていた。
テンポの良い脚本とジョジョらしい独特の空気感を演出と俳優陣で再現し、実写になる上ではノイズになる漫画アニメ風の要素だったり外連味を削ぎ落として引き算で作った作品だから最高の実写化だったはず。
映画にするにあたってどうしても尺やロケ時間の問題があるけど、テンポ感が悪く、演出も間伸びしてしまった感は否めない。
ロケ時間に恐らく制約があるから仕方ない部分もあると思うのだが、ルーヴル美術館をもっと見せて、泉くんとの兼ね合いを増やす方にもっと尺を使って欲しかった。

それでも映画で見た方が良い演出や映像美はあるので、ファンにはオススメしたいけど、世にも奇妙な物語的なテイストのホラーが苦手な人とか、俳優目当ての人にはお勧めできないかな。
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