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岸辺露伴 ルーヴルへ行くのKUBOのレビュー・感想・評価

岸辺露伴 ルーヴルへ行く(2023年製作の映画)
3.6
岸辺露伴ルーブルへ行く

第一部からの『ジョジョ』ファンで、NHKのドラマシリーズも全部見ている私は、シーズン3の最後で「次はルーブルだ」と聞いた時に小躍りするほど喜んで、本作『岸辺露伴 ルーブルへ行く』を心待ちにしていた。

だけど、期待が大き過ぎると評価下がるんだよなぁ。

正直、眠くなった。物語に起伏がない。音楽も眠気を誘う。そしてせっかくのルーブルはちょっとだけ。終盤はずっと倉庫の中だし。

「この世で最も黒い絵」を探す旅。

前半は、この「黒い絵」の噂に接した露伴の青年時代。なんと高橋一生じゃなくて、なにわ男子の長尾謙杜が露伴を演じる。私はこれがダメ。一人称視点で声を高橋一生にするとか、誤魔化してでも他の人にさせたくなかった。キャラが違う。

後半になってやっとルーブルへ。美術館前のピラミッド、凱旋門、モナリザ、それなりのところは押さえているけど、見てる方としてはあっという間に倉庫に入ってずっと倉庫だから正直つまらない。

『ダヴィンチ・コード』みたいにルーブル内を駆け回る話じゃないのはわかるけど、せっかくルーブル行ったわりには全体の印象が地味なんだよなぁ。エンドロールもいつもの書斎だし、いつものドラマと変わらない。どうやらそれが狙いみたいなんだけど、私にはもったいなく感じた。

私は飯豊まりえはあまり好きではないんだけど、本シリーズの泉京香役は好きなんだよね〜。東出昌大の「ボクちゃん」みたいに、なんか好き。高橋一生とのバディ感がいいんだろうな。

小ネタ的には、

劇中で京香の父親が5歳の頃に死んでいることが明らかになるが、その事実が『富豪村』のエピソードで露伴にヘブンズドアされた京香の顔の本(小道具)に実際に書かれていた、とか、

『ジャンケン小僧』のラストで露伴が「ルーブル美術館」と言いながら掲げていた写真が本作に出てくる京香の父親がルーブル前で撮った写真だ、とか、

細かいところでいろいろ仕込んでるスタッフのこだわりぶりが感じられて、もう一度ドラマシリーズを見返したくはなった。

厳しく書いたが、これが素直な感想。

もちろん大好きなシリーズだからこれからも続けてほしいし、ずっと見る。まだまだ楽しみにしていますよ。

*あ、当然、「スタンド」とか「ヘブンズドア」とかわからない人にはわかりませんよ、本作はw
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