このレビューはネタバレを含みます
原作では奈々瀬が絵を切り裂いたことで、露伴は奈々瀬への慕情を捨てることができた。そのお陰でルーヴル地下倉庫で奈々瀬に触れてしまうことはなく生還した。
実写版の奈々瀬は露伴を助ける者としての意味合いがさらに強い。地下倉庫でも露伴に迫ることはなく、仁左右衛門を止めつつ露伴に助言を与えた。
テーマ性についてもそう。奈々瀬への想いを忘れ去ることが解決策だった原作に対し、奈々瀬の言葉がキーとなり、あの過去のことを「忘れない」と言い切った実写版露伴。
怪異を突破するロジックとしては前者の方が納得できるし、異能力モノとして面白かった。ただテーマとして味わい深いのは後者。後味が良いので映画にするにはピッタリ。『岸辺露伴 ルーヴルへ行く』トゥルーエンドと言ったところ?
改変するところ・しないところの判断がやはり素晴らしかった。