バナバナ

87分の1の人生のバナバナのネタバレレビュー・内容・結末

87分の1の人生(2023年製作の映画)
4.2

このレビューはネタバレを含みます

こんなにも過酷な内容だとは思いませんでした。

白人女性アリソンは、黒人男性のネイサンと婚約中。
ネイサンの家族との関係も良好だ。
しかしそんな時、アリソンの運転で交通事故を起こしてしまう。

アリソン、ずっと相手の運転手が悪いと言っていたけど、最後の方まで一度も「ごめんなさい」と言ったことなかったんですね。アメリカ人だと、これが普通なのかな。
しかし、潜在意識では自分の悪いところにも気が付いていたから、心の苦しさにオピオイドに頼っていたんでしょうね。
本当だったら鎮痛剤よりも、抗うつ剤をもらった方が良かったと思うのだけど、アメリカって離婚とかですぐカウンセリングに通うくせに、事故後に相談に行かなかったのだろうか。
完全にPTSDですやん。
それに、アメリカではあれだけオピオイド中毒が問題になっているのに、未だに簡単に処方されているんですね。

アリソンも製薬会社のMRをやっていた位だから、元々優秀な人なんでしょう。自分で互助会を探したり、病院に入りたいと言い出すけれど、お母さん、あれだけ心配していたくせに、出て行った旦那に連絡取りたくないから断るって、マジっすか⁉
専門病院でないと、依存症なんて治すの無理でしょが!

モーガン・フリーマン演じるダニエルも、昔は酒乱で子供に家庭内暴力を振るった過去があるので、アリソンを受け入れる。
しかし、彼女を自宅まで連れてくるのは、ライアンが居るのだからそれは酷ってもんでしょ。
アリソンに連絡取るなと言うよりも、自宅に連れてきて二人が直接会ってしまった事の方がOUTだと思ったけど。
後半はアリソンばっかり責められて、可哀想だった。

最初に出て来たアリソンの婚約者、逃げたのか?と思っていたら、そういう事情だったのね。
でもアリソンも、自分の潜在意識の中で密かに思っていた事をズバっと言われて、ようやく逃げ場が無くなって、本当に前を向く気になれたんでしょうね。
遠回りして、皆にとっても辛い経験だったけれど、結局最後はお互いを赦し合えていたところが良かったです。
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